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清武 どんぴしゃクロス!値千金のVアシスト

[ 2011年9月3日 06:00 ]

<日本・北朝鮮>後半、クロスを上げる清武

W杯アジア3次予選グループC 日本1-0北朝鮮

(9月2日 埼玉)
 国際Aマッチ出場2戦目の21歳が、暗雲が漂うスタジアムに希望の光をともした。

 後半49分。清武は、右CKを近くにいた長谷部にいったん預け、入れ替わるように右サイドに移動する。そこで長谷部からパスを受けると中央へクロスを送った。「たまたまいいところに行った」と話したボールは見事な弧を描き、吉田の頭を経由してゴールネットを揺らした。チームを勝利に導く値千金のアシストだ。

 8月10日の日韓戦で2アシストデビューの実力は本物だった。後半15分にMF柏木に代わり右MFに入ると、その3分後、4分後に立て続けにシュート。惜しくもゴールはならなかったが、日韓戦シュート0本の反省をきっちり生かした。

 「しっかりとシュートを決めなきゃいけなかった。ただ、リラックスしてできた」と振り返ったように持ち前のスピードで攻撃に変化を加え、C大阪の元同僚の香川との“あうんの呼吸”でゴール前に襲いかかった。「日韓戦よりも緊張しなかった」と落ち着いたプレーで試合の流れを変えた。

 代表デビュー戦となった韓国戦でも途中出場で2アシスト。通算出場時間84分で3アシストを記録した。日韓戦はU―22日本代表からの抜てきだったが、「もう終わったこと」とW杯予選へ気持ちを切り替え、今度もまた大きな仕事をやってのけた。

 A代表での活躍は、U―22日本代表のロンドン五輪切符にもつながる。「五輪に出られたら、サッカー人生が変わると思う。A代表の雰囲気を持っていけたらいい」と常に五輪への思いも胸に抱き続けている。

 次は6日のウズベキスタン戦が待ち構える。両足での正確なキックで、この日は遠藤に代わりコーナーキックのキッカーも務めた。ケガで本田、中村が離脱する中、ウズベキスタン戦では初の代表スタメンの可能性もある。五輪、そしてW杯へ、清武の挑戦は、まだ始まったばかりだ。

 ◆清武 弘嗣(きよたけ・ひろし)1989年(平元)11月12日、大分県生まれの21歳。大分U-15から大分ユースを経て08年トップ昇格。10年C大阪移籍。今季はリーグ19試合5得点。ACL6試合2得点。10日の韓国戦で代表デビュー。国際Aマッチ出場2試合。1メートル72、66キロ。利き足は右。家族は真梨子夫人。

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