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仙台2位浮上!みちのくダービー決勝弾は山形県出身の菅井

[ 2011年5月23日 06:00 ]

<山形・仙台>後半8分、先制ゴールを決めてチームメートと喜び合う仙台・菅井(左から3人目)

J1第12節 仙台1―0山形

(5月22日 NDスタ)
 仙台がみちのくダービーを制して再浮上した。敵地で東北の宿敵・山形を1―0で下して3試合ぶりの白星。山形県出身のDF菅井直樹(26)が2戦連続ゴールとなる決勝点を決めた。開幕7戦で4勝3分けとリーグ唯一の無敗をキープ。前節3位から2位に順位を上げて、首位・柏に勝ち点1差に肉薄した。

 東北のライバルを叩いて勢いを取り戻した。過去2戦連続で後半ロスタイムに同点に追いつかれ、勝利を逃していた仙台が1―0で逃げ切り勝ち。敵地・山形ではJ2時代の06年以来の白星を挙げて、約5000人も駆けつけた金色のサポーターを歓喜させた。

 「みちのくダービーで菅井が取ったことに意味がある」と手倉森監督が称えたのが値千金の決勝弾。山形中央高卒業後の03年から仙台一筋でプレーし、今季からチーム最古参となったDF菅井にとって「特別な試合」という山形戦通算15試合目での初ゴール。0―0で迎えた後半8分、FKからMF角田のヘディングシュートがポストにはね返ったところを豪快に左足ボレーで押し込んだ。右ふくらはぎが万全でない中で強行出場して後半38分までプレーし「どうしても勝ちたい気持ちがゴールにつながった」と普段はクールな男が喜びを爆発させた。

 現在仙台に所属する東北出身選手は菅井とFW大久保の2人だけ。東日本大震災で被災した地元に対する思いは特に強い。震災直後は山形の実家に一時避難したが、1週間後にはライフラインがまだ回復していない仙台に戻ってボランティア活動に参加。今月17日にもクラブの復興支援活動で津波の被害が大きかった女川町を訪れ「まだ子供とサッカーができる環境ではなかったが、みんなの笑顔に元気をもらった。自分たちが頑張ることで勇気を与えられたら」と決意を新たにしていた。

 仙台は開幕からの不敗記録を7試合に伸ばして2位に浮上。次戦は28日にホームで3位・横浜と激突する。指揮官が「ホームでは負ける気がしない。被災地のパワーをもらって戦う」と言うように、元気になりつつある地元の後押しを受けて首位再浮上を目指す。

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2011年5月23日のニュース