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ミュラー5点目!ドイツ 多国籍の力で3位に

[ 2010年7月12日 06:00 ]

<ドイツ・ウルグアイ>ゴールを決めて喜ぶケディラ(右)とメルテザッカー

 【W杯3位決定戦・ドイツ3―2ウルグアイ】3位決定戦が10日に行われ、ドイツが3-2でウルグアイを逆転で破り、2大会連続の3位となった。躍進の原動力となった若手MFトーマス・ミュラー(20=バイエルンM)が今大会5点目となる先制点を挙げ、“多国籍軍”の1人であるMFサミ・ケディラ(23=シュツットガルト)が決勝弾を決めた。一方のウルグアイは40年ぶりの4位。FWディエゴ・フォルラン(31=Aマドリード)の今大会5点目で一度は勝ち越したが、一歩及ばなかった。

【試合結果


 ドイツの新星が南アフリカで最後の輝きを放った。弱冠20歳のMFミュラーが、前半19分に先制ゴール。MFシュバインシュタイガーの強烈なミドルシュートを相手GKがはじいたところに詰めて、ベテランのような抜け目なさと落ち着きで右隅に流し込んだ。今大会5点目。試合終了時点でスペインFWビジャ、オランダMFスナイダー、ウルグアイFWフォルランら“ワールドクラス”に肩を並べた。
 「この試合の結果には胸を張れる。僕らがこの大会で見せた若手の可能性を証明することができた」。笑顔を見せたミュラーをはじめ、平均24・96歳でW杯ドイツ代表史上2番目に若いチームは、新育成システムから生まれた。00年欧州選手権1次リーグ最下位という惨敗を受け、フランスなどを参考に全国約400カ所にアカデミーを設立。旧東独の“エリート教育”を取り入れてアカデミー、クラブ、学校が密接に協力し、若手を育成し発掘する環境を整えた。その成果は08年のU-19、昨年のU-17、21と各年代別の欧州選手権制覇に表れ、U-21からはMFエジルら6人がW杯メンバーに昇格した。
 こうした若手の台頭とともに、チームの“多国籍化”が快進撃の要因となった。選手と監督でW杯を制した“皇帝”ベッケンバウアー氏が「ドイツ生まれでない選手が増えたのが躍進したもう一つの理由」と言うように、国外にルーツを持つ選手が23人中11人と約半数を占めた。後半37分に代表初ゴールとなる決勝点を決めた23歳MFケディラは父がチュニジア人、得点につながるCKを蹴った21歳司令塔のMFエジルはトルコ系移民3世。背景にあるのが99年の移民法改正で、血統主義から出生地主義に変更されたことで国籍を取得した“新ドイツ人”が、伝統の規律と力強さに多様性と創造性をもたらした。
 「われわれは若いチーム。次はもっと上にいける」とケディラ。世代交代と多国籍化で再生したドイツが、14年ブラジル大会で4度目の頂点を目指す。

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2010年7月12日のニュース