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軸は本田?俊輔?岡田監督最後まで“迷走”

[ 2010年6月5日 06:00 ]

<日本・コートジボワール >同点ゴールを決めた永井をみつめる岡田武史監督
Photo By スポニチ

 岡田ジャパンが不安だらけで最終テストマッチを終えた。日本代表は4日、W杯前最後の強化試合でアフリカの強豪コートジボワールと対戦し0―2で完敗した。仮想カメルーンとの一戦でMF長谷部誠(26)をトップ下で起用する新たな布陣で臨んだが、結果は裏目に出た。国際Aマッチ4連敗は98年W杯フランス大会のジャマイカ戦以来12年ぶりの屈辱。大きな不安を抱えたまま“決戦の地”南アフリカへ向かう。

 イングランド戦でかすかに見えた光が、また見えなくなった。仮想カメルーンと位置づけていたコートジボワールに子供扱いされた。0―2のスコア以上の完敗で、98年W杯フランス大会ジャマイカ戦以来12年ぶりとなる国際Aマッチ4連敗。岡田監督は厳しい表情で口を開いた。
 「身体能力が高く、技術のあるチームで、カメルーンと同じレベルだと思っていた。攻撃では前半は選手の距離が遠くて、ボールを受けに来る選手がいなかった。後半はボールは動いたけど、人が下がりだして前に行く選手がいなかった。戦える選手と、そうでない選手がはっきりした」
 W杯直前とは思えないテストマッチだった。イングランド戦に続いてMF中村を先発から外したが、システムは4―2―3―1に戻し、本来ボランチの長谷部を初めてトップ下で起用した。だが連係不足は明らかで、チーム最初のシュートを放つまで25分かかった。采配も“迷走”した。後半開始から本田に代えて中村を投入するなど一挙に3人を入れ替えた。相手のプレッシャーが落ちたことでボールキープ率は上がったが、横パスばかりでゴールは遠かった。W杯初戦のカメルーン戦まであと9日。しかし、戦い方も定まらない。本田か、中村か軸となるべき選手も見えてこない。
 守備も課題が残った。岡田監督は「流れの中でシュートを打たせることはなかった」と強がったが、前半13分に闘莉王の2試合連続となるオウンゴールで先制を許すと、後半35分には課題のセットプレーから2失点目を喫した。「守備は今のやり方を続ける。(セットプレーの守備は)マークを外さないとか、壁は逃げないとか、基本的なことを続けるしかない」。自陣にブロックを作る守備的な戦術には手応えを得ているが、ここ3試合サイドバックに定着していた今野が右ひざを負傷したことで修正を迫られる可能性も出てきた。
 W杯で勝ち上がるには勢いも重要。大会前に格下に勝って自信をつける方法もあった。だが、岡田監督はあえて世界のレベルを体感することを選び玉砕した。「勝つために弱い国と組むこともできたが、強い国とやることが必要だった。(選手は)不安に思っているかもしれないが、逆に選手の反発が出てくると思っています」。最後は選手の奮起に頼るしかない。大きな不安を抱えて、岡田ジャパンが5日に戦地・南アフリカに乗り込む。

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2010年6月5日のニュース