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俊輔 フル出場もまだ連係面で不安

[ 2009年9月29日 06:00 ]

 エスパニョールのMF中村俊輔(31)が27日、ホームで行われたシェレス戦に右MFで先発出場。8月30日のビルバオとの開幕戦以来4試合ぶりのフル出場となったが、最下位相手に得点を奪えず、0―0の引き分けに終わった。後半は中村が起点となりチャンスをつくったが、前半は孤立する場面が目立つなど、またも連係面の不安を露呈した。

 最下位相手に優位に試合を進めたが、最後まで崩しきれなかった。13日のRマドリード戦以来3試合ぶりに先発した中村は90分間ピッチに立ち続けたものの、スコアレスドローは受け入れがたい結果だった。「勝ちたかったね、押していただけに。ホームだし、相手はまだ勝ち点が取れていなかったんで」。前節まで4戦全敗だった相手に勝ち点を与え、連勝は2でストップ。天才レフティーに笑顔はなかった。

 23日のマラガ戦では決勝ゴールをアシストしたが、この日は周囲との連係がいまひとつだった。前半はトップ下のイバン・アロンソ、1トップのカジェホンが左サイドに流れる機会が多く、右サイドの中村にはなかなかボールが回ってこなかった。しびれを切らしたように後半は積極的にピッチ中央に顔を出すと、ようやくボールタッチが増えた。「(ボールに)触ればやれるという感覚はある」と振り返ったように、後半は中村を起点にチャンスが増えた。だが、フィニッシュの精度を欠き、ノーゴール。中村が放った40分の強烈シュートもGKの正面を突いた。

 右サイドでキープしても、右サイドバックのチカは上がる気配を見せず、ボランチにボールを下げるしかない場面もあった。「次の次ぐらいまで考えている時にボールが来なくて、全く考えてない時にいきなり預けられたり」。意思の疎通ができていない状況に中村は「時間が解決することなんで、焦らずにいきたい」と自らに言い聞かせるように話すしかなかった。

 昨季まではセルティックで結果を出し続け、日本代表にはいいイメージを膨らませて合流していた。日本代表とエスパニョールはサッカーの内容が違うとはいえ、試行錯誤が続くようなら、日本代表でのプレーにも影響を及ぼしかねない。あこがれのスペインリーグへの移籍は、自らの幅を広げる絶好の場所になるはずだったが、開幕から5試合を終えても苦悩は続いている。

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2009年9月29日のニュース