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成熟した岡田ジャパン…試合前も指示出さず

[ 2009年3月29日 06:00 ]

<日本・バーレーン>バーレーンに勝利し、ガッツポーズの岡田武史監督

 【日本1―0バーレーン】勝利の瞬間、右の拳を小さく握りしめた。最終予選のホーム3試合目でやっと手にしたホーム初勝利。岡田監督は最高の笑顔で、チームスタッフと握手を交わした。

 「1点では何が起こるか分からない。もう1点取る姿勢を変えなかった。交代もケガや運動量を見てのもので、戦術的な理由ではない」

 攻めの采配を貫いた。先制点を挙げ、後半31分には負傷した長谷部を橋本に代えた。その後、投入した松井、岡崎はともに攻撃的な選手。守備的な選手を入れて1点を守るのではなく、前線からのプレスを徹底して追加点を取りにいく積極策を選んだ。試合前日には試合展開によっては引き分けを狙うことを選手たちに伝えた。だが、昨年からここまで2勝2敗のバーレーンに完全に決着をつけるために、あくまでも攻めて、点を取って勝つことを選択した。

 選手たちを完全に信頼して、ピッチに送り込んだ。試合前のミーティングでは珍しく全く指示を出さなかった。「合宿を見ていて何も言う必要はないと思った。今の状況、相手の戦い方、自分たちの強みを選手たちが理解して戦ってくれた」。成熟してきたチームに岡田監督は手応えを感じている。

 ただ、試合後は選手たちにさらなる成長を求めた。岡田監督は「代表に来て、やるだけじゃダメだ。ボールをとられた後に追いかけるとか、(攻守の)切り替えを速くするとか、自分の(所属する)チームでもトライしてもらう」と伝えた。4大会連続となるW杯出場に王手はかけたが「まだ何も決まってない」と強調する。6月の次戦ウズベキスタン戦まであと2カ月余り。進化した岡田ジャパンが必ずW杯切符をつかみ取る。

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2009年3月29日のニュース