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怒声ビリビリ!岡ちゃん“鬼”に変身

[ 2009年1月19日 06:00 ]

険しい表情で選手に指示を出す岡田武史監督

 日本代表は20日、アジア杯予選イエメン戦(熊本KKウイング)を迎える。岡田武史監督(52)は18日、それまでの和やかムードから一変、怒声を張り上げながらの練習で9日間の指宿合宿を打ち上げた。イエメン戦には次代の日本サッカーを見据え、若手中心に先発を固めたことを示唆。DF駒野を除けば、06年W杯ドイツ大会後、日本代表に定着した脱ドイツ世代を先発させる意向。練習後は決戦の地、熊本にバス移動した。

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 岡田監督の声は、かすれていた。指宿合宿の最終日。指揮官の怒りが突如、爆発した。「GKの声しか聞こえないぞっ!」「黙ってやるなっ!」「ボールに出ろっ、人をつかめっ」。最後まで攻守の切り替えにこだわった練習が続き、ピッチ上には、鬼の形相と化した指揮官の怒声が響き渡った。20日に迫った09年初戦に向け、柔和な表情は一変した。

 イエメン戦は次代を見据える大事な一戦と位置づけている。「W杯予選とはメンバーも違うでしょう。でも今後、日本サッカーの流れの中でこういう若手が勝負にこだわることは重要だと思っている。皆、代表候補ではなく、代表なんだ。そこそこやれたでは済まされない」。あえてW杯予選と区分しながら、その上で新世代にイエメン打倒の重要性を訴えた。

 練習後は既に若手中心に先発を固めていることも示唆。左サイドバックの駒野以外は06年W杯ドイツ大会以降、代表に定着した“脱ドイツ世代”となることが濃厚だ。実現すれば、W杯経験者の数は過去最少となる。「若くて経験がない分、厳しい戦いになる。それでも結果は残す。それがわれわれの使命」と言い放った。

 実は、指宿合宿で徹底して叩き込んだテーマがある。協会関係者によれば、岡田監督は「カタール戦を忘れろ」と言い続け、コーチ陣、全スタッフにまでその意識を植え付けた。昨年11月W杯予選の敵地カタール戦は3―0と攻守に圧倒。だが快勝したがために生まれる一瞬の油断やスキまでも危ぐしていた。午後には決戦の地、熊本に乗り込んだ新世代の岡田ジャパン。指揮官の表情は戦う男のそれにひょう変していた。

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2009年1月19日のニュース