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好調大迫勇、ジーコ流仕上げ「いい感じ」

[ 2009年1月10日 06:00 ]

“ジーコ流”のシュート練習をする大迫勇也

 第87回全国高校サッカー選手権は10日、埼玉スタジアムで準決勝2試合が行われる。大会得点記録にあと1点と迫る8得点を挙げている鹿児島城西(鹿児島)のFW大迫勇也(3年)は9日、前橋育英(群馬)戦に向け、東京・品川区のフットサル練習場で最終調整。元日本代表監督のジーコ氏が用いたシュート練習で締めくくった。大迫勇が自らの得点力でチームを初の決勝へと導く。

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 鹿児島城西が拠点を置く都心部は雪こそ降らなかったが、冷たい雨に見舞われた。小久保監督は選手のコンディションを考えて急きょ、都内の室内フットサル場での練習に変更。大会得点記録更新の期待がかかる大迫勇は、約2時間の練習を終えると「しっかりリカバリーできているし、いい感じで来ている」と充実感をにじませた。
 5日の準々決勝・滝川二戦から中4日で迎える前橋育英戦。今大会で最も間隔が空くだけに試合勘が鈍ることが懸念されたが、そんな心配はたった1つの練習で解消された。ゴール前5メートルの位置に座った選手が手で左右交互にパスを転がし、これをリズムよく次々にシュートを打つ練習。これは元日本代表監督のジーコ氏が日本代表と鹿島で行っていた練習だ。
 直前に行った4対4のミニゲームでは5本のシュートが1本も決まらなかった大迫勇だったが、シュート練習では的確にフットサルの小さなゴールをとらえた。「ゴール前ではどんどん打っていきたい。チームのためにも得点を取ることが一番だと思っている」。対戦相手の前橋育英はここまでの4試合すべてで完封勝ちを収めているが、強固な守備陣を破るイメージは出来上がっていた。
 鹿児島城西では練習や試合での良かった点や反省点などをノートに書き込むことを義務づけている。3年生になってから始めた大迫勇のノートはもう5冊目だ。「調子が悪い時はノートを見直す」そうだが、今大会は見直す必要もないほど調子がいい。小久保監督も「選手は決勝を意識しているところはないし、そんなに変化はない」と平常心で臨めていることに手応えをつかんでいる。悲願の初優勝まであと2勝。大迫勇と鹿児島城西は万全の態勢を整えて、埼玉スタジアムのピッチに立つ。

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2009年1月10日のニュース