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ドリーム復権!バスケ米男子2大会ぶりV

[ 2008年8月25日 06:00 ]

バスケット男子、決勝でスペインを破り面目を保ったアメリカチームは掲揚される星条旗を見つめる

 【北京五輪 バスケットボール】男子バスケットボールの決勝が24日に行われ、米国が世界選手権(06年)の覇者スペインを118―107で下し、2大会ぶり通算13回目の優勝を飾った。米国は92年バルセロナ五輪でNBAのスター選手によるドリームチームを編成して世界を席巻したが、00年シドニー五輪を制したあとは不振。02、06年の世界選手権でも頂点に立てなかったが、ようやく覇権を奪回した。

 第4Q1分47秒で2点差。予選リーグで37点差をつけたスペインに最後まで苦しんだ。2メートル16のP・ガソルに制空権を奪われ、フェルナンデスにはダンクと3点シュートを見舞われた。追い込まれ、崩れそうになりながらのクライマックス。しかし、104―99で迎えた残り3分27秒、3点シュートを決めたブライアントが相手反則で得たフリースローも1本成功。土壇場の4点プレーが、すべての流れを変えた。
 「どんな優勝よりも重要な意味があるんだ」。NBAのシーズンMVPとなったブライアントは初めての五輪で手にした金メダルに感無量の面持ち。デューク大の監督ながらプロの黄金軍団を率いたシャセフスキー監督も「持ち味を全部出してくれた」と苦労の末にたどりついた“定位置”に目頭を押さえていた。
 ジョーダンやバークリーらがバルセロナ五輪で見せた圧倒的な力はない。欧州や南米の選手がNBA各チームで主力を務める時代。この16年間で時代は大きく変わった。五輪でも世界選手権でも苦闘。国際ルールに戸惑い、NBAでは変則的にしか認められていないゾーン・ディフェンスには最後まで適応できなかった。大柄なセンターも不在。しかし、シャセフスキー監督は「個々の能力と心意気を優先した」とあえて弱点を背負い込み、長所だけを信じて12人を1つのチームにまとめあげた。
 年俸総額は12人で154億円。敗北が許される待遇ではない。肩にのしかかっていた米国代表としてのプレッシャー。星条旗が再びポールの中央にたなびいていたとき、長い戦いがやっと幕を閉じた。

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2008年8月25日のニュース