×

北島の国民栄誉賞 「首相次第」の声も…

[ 2008年8月25日 19:53 ]

 【北京五輪・競泳】政府は北京五輪の男子平泳ぎで史上初の2大会連続2冠を達成した北島康介選手への国民栄誉賞授与を検討している。ただ、ほかに活躍した選手とのバランスを考慮すべきだとの意見や、現役選手を続ける場合は時期尚早との指摘もあり、世論の動向を見極めながら慎重に判断する考えだ。

 福田康夫首相は25日、誰に授与するのかと記者団に問われ、「みなさんそれぞれ一生懸命やり、素晴らしい成果を挙げた。全員国民栄誉賞ものだ」とけむに巻いた。町村信孝官房長官も記者会見で「北島選手は素晴らしい活躍をした」と重ねて強調する一方、栄誉賞を授与するかどうかは「そのうち検討することになる」と述べるにとどめた。
 1977年に創設された国民栄誉賞は「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与える顕著な業績」を挙げた人物が対象。しかし具体的な基準はなく、政府関係者は「福田首相の判断次第」と指摘する。
 首相は「人気取りと言われるのを嫌がっている」(政府筋)とされるほか、球技で32年ぶりの金メダルに輝いた女子ソフトボールチームや、男子の陸上トラック種目で初のメダル獲得を果たした四百メートルリレーメンバーなどの活躍も高く評価されており、判断に悩みそうだ。
 森喜朗元首相が2000年のシドニー五輪女子マラソンで金メダルを獲得した高橋尚子選手に国民栄誉賞を贈った際は、同じく金メダルだった女子柔道の谷(当時は田村)亮子選手に授与されなかったため、抗議が官邸に殺到した経緯がある。

続きを表示

2008年8月25日のニュース