カンパニー 産駒の活躍で被災地・熊本に明るい話題を

[ 2016年8月23日 07:25 ]

本田土寿さんとカンパニー

 新天地でのファーストシーズンは、少し寂しい結果に終わった。昨年10月、それまで繋養(けいよう)されていた北海道のブリーダーズ・スタリオン・ステーションから熊本県熊本市の本田土寿牧場に移動したカンパニー。当地での初年度となる今春の種付け料は20万円。6頭の花嫁を迎え、5頭の受胎が確認された。場長の本田土寿さん(55)は「県外からも種付けに来てくれればと思っていましたが、結果的に県内だけでした」と苦笑いを浮かべる。とはいえ、自らが見初めた“新種牡馬”への期待は決してしぼんではいない。

 「昨年7月にうちで繋養していたブラックホークが死亡し代わりとなる種牡馬を探していて…。実は今春、北海道で種付けしたカンパニーの子が宮崎で生まれたんですが、いい筋肉をしてるんです。それだけに来年、どういう子が生まれてくるのか楽しみです」

 これまでに4世代の産駒がデビュー。重賞勝ち馬こそいないが、全日本2歳優駿3着のタイセイラビッシュなどを出し、決して悲観する成績ではない。

 「JRAで九州産限定のレース(芝1200メートル)は2歳の7月と8月に行われています。そういった意味では、短いところでも勝てる種牡馬も大事になってくる。カンパニーは体形的に短距離にも対応できるとみています」

 今年4月14日、熊本県は震度7の地震に襲われた。本田土寿牧場も一部損壊して、修理を余儀なくされた。「人手が足りなくて近所では修理が手つかずのところもあります」と本田さん。そんな中でも、牧場で生まれた7頭の当歳馬は元気に育っている。そして来春にはカンパニーの“初年度産駒”も元気いっぱいの姿を見せてくれるはずだ。近い将来、彼らが競馬場から熊本に明るい話題を届けてくれることを願いたい。

 ◆カンパニー(牡15)2001年(平13)4月24日生まれ。父ミラクルアドマイヤ、母ブリリアントベリー。生産者は北海道勇払郡安平町(旧早来町)のノーザンファーム。現役時代は35戦12勝。うちG1・2勝、重賞9勝。大きく飛躍したのは8歳秋。毎日王冠でウオッカを差し切ると、続く天皇賞・秋でG1初制覇。8歳馬による平地G1制覇はJRA史上初だった。ラストランとなったマイルCSも制し、JRA賞特別賞を受賞した。

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2016年8月23日のニュース