【新潟2歳S】新種牡馬ルーラー産駒イブキ 出世コース駆け抜ける

[ 2016年8月23日 05:30 ]

新潟2歳Sで“出世コース”に乗りたいイブキ

 熱闘が続く今週の新潟は出世レースで名高い「第36回新潟2歳S」がメイン。期待の新種牡馬ルーラーシップ産駒の“勝ち名乗り第1号”のイブキが満を持してスタンバイしている。6月12日の東京新馬戦(芝1800メートル)は好位から力強く伸びて完勝。2着馬がゴール前で迫ると、エンジンを再加速する大人びた内容だった。同産駒初白星を飾った新馬戦に続き、同産駒重賞初Vを果たせば、G1への道が見えてくる。

【新潟2歳S】

 イブキの新馬戦は2歳馬とは思えない洗練された内容だった。スッとゲートから飛び出し従順に折り合い、東京の坂や長い直線もクリアし力強く伸び切った。奥村武師も「好位で折り合い、後ろから馬が来たらまた伸びる理想的な内容。センスを感じたしゲートも実戦は良かった。精神面の強さを感じた」と称えた。

 12年の香港G1クイーンエリザベス2世Cを制した父ルーラーシップ(父キングカメハメハ、母エアグルーヴ)は現2歳が初世代となる超良血の新種牡馬。同産駒の記念すべき勝ち名乗り第1号となった息子は、父の唯一の課題だったスタートも完璧にこなした。さらに、指揮官が話す通り「新馬で破った相手は弱くない。その点でも価値がある」。新馬戦で半馬身差で2着に続いたレジェンドセラーは続く未勝利戦(8月新潟)で単勝1・3倍の断然人気に応えてV。見た目の時計や着差以上に中身が濃いデビュー戦だった。

 新馬戦V後は放牧を挟み、新潟2歳Sに照準を絞った。1週前の18日は美浦Wコースで5F70秒1~1F12秒5(馬なり)。併せたヒプノティスト(3歳500万)に余力を持って併入した。「うちの厩舎で一番動く相手を圧倒する動き。凄く良く動いた。体はもう少し大きくなれば理想的だが、それでも新馬戦の時よりは力強く、パワーが付いた。それに馬に自信がついてきた感じ」と新馬から約2カ月余のミニ充電で成長を感じている。新潟2歳Sは、ハープスターや今春NHKマイルC2着に好走したロードクエストが勝ち上がった出世舞台。夏の越後路で東京の再現ができれば、父が果たせなかったクラシック制覇への道が開けてくる。

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2016年8月23日のニュース