【有馬記念水曜追い】リアファル 一瞬で引き離した、驚異の上昇度

[ 2015年12月23日 17:00 ]

 若さこそが最大の武器になる。戴冠にがっしり手を掛けたリアファルのド派手な最終追い切りだった。調教評価は文句なしの「S」だ。

 坂路の併走相手は4歳オープンのランウェイワルツ。道中半ばまで馬体を併せていたが、仕掛けると推進力が違う。一瞬で引き離し、完全に置き去りにしてしまった。4F51秒6―1F12秒7の時計も圧巻だが、驚かせたのはその変貌(ぼう)ぶり。

 1週前追い切りの時点では2歳馬ブラックスピネルと併せ、明らかに手応えで見劣った。時計も4F52秒9―1F12秒6と平凡。実は、この1週間での変わり身こそが、リフレッシュ効果なのだと音無師は説明する。

 「先週の感じではいくらか“重い”のかと。それできょうはビッシリやったが動きは良かった。今回は休み明けを懸念したんだけど、しっかり動けていた。リフレッシュ効果だね。菊花賞から使わなかったことがいい方に出ると思う」

 激戦の菊花賞のあとはノーザンファームしがらきで英気を養い、有馬記念を目標に仕上げて来た。秋の天皇賞、JCを戦って来た古馬とは対照的に、フレッシュな状態で暮れの大一番を迎えることができる。これこそが大きなアドバンテージ。

 手綱を取るのは05年にハーツクライで有馬記念を制した名手ルメール。記憶に残る一戦をこう振り返る。

 「あの日は最高の気分だったよ。日本で初めてG1を勝てたからね。周りは“ビッグショック”だったみたいだけど」

 それも当然。ディープインパクトの国内唯一の敗戦がこの有馬。列島を揺るがすハーツクライの“大金星”だった。ルメールはリアファルにも見劣らない資質と可能性を感じている。

 「まだ3歳でキャリアは浅いけど、スピードがあるしスタミナもある。中山の2500メートルは絶好の舞台だと思う。チャンスはあるよ」

 勝てば12年ゴールドシップ以来となる3歳馬の戴冠。この強力タッグならあっさり夢を引き寄せてしまいそうだ。

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2015年12月23日のニュース