【皐月賞】トゥザワールド 圧巻12秒0!3頭併せで楽々1馬身先着

[ 2014年4月17日 05:30 ]

トゥザワールド(手前)は3頭併せで追い切られて先着する

 今週も主役はこの男。牡馬クラシック第1弾「第74回皐月賞」の追い切りが16日、栗東、美浦トレセンで行われた。13日の桜花賞で圧倒的1番人気ハープスターをVに導いた川田将雅(ゆうが=28)が、4連勝中の相棒トゥザワールドにまたがって、しびれるような動き。福永洋一(引退)、武豊ら4人しか達成していない、21年ぶり桜&皐月同一年Vへ態勢は万全。川田が伝説の領域へと上り詰めるか。同レースは17日、出走馬、枠順が確定する。

【皐月賞】

 これまでとは全く違う表情の川田がそこにいた。口元は真一文字に結ばれ、眼光は鋭い。だが、人を寄せ付けないわけではない。時折見せる笑顔には周囲への感謝の気持ちがあふれていた。桜花賞、単勝1・2倍のハープスターでV。騎手人生最大のポイントを鮮やかに抜け切り、人間としてひと皮むけた。「今までで一番緊張した。初めてのことだった」。重圧から逃げず、真っ向から闘い、そして勝った。全てが川田の収穫となった。「心境の変化?もちろんある。それを味わいながら皐月賞に臨みたい」。もう怖いものはない。川田は重圧すら見下ろせるようになった。

 鞍上の自信はトゥザワールドにも伝わった。川田を背にCWコース3頭併せ。最後方からリズム良く追走し、直線、外ウインサーガ(5歳500万)、中クラージュドール(4歳1000万)の内を突く。余裕十分に並びかけ、残り1Fで川田が軽く仕掛けると、一瞬でスパッと抜け出した。1馬身先着。6F81秒4~12秒0を楽にマーク。川田は満足げに語った。「求めた分だけしっかり動く。先週よりもはるかにいい」

 デビュー戦は2着に敗れたが、その後は4連勝。「それぞれ違う内容の勝ち方。競馬が本当に上手」と川田はセンスの良さを褒める。弥生賞は2着ワンアンドオンリーに鼻差まで詰め寄られたが、4角で外から仕掛け、先団を全て退けてから後続も振り切る力業。「苦しい競馬だったが、きっちり勝ち切った。初の中山も輸送も問題なかった。本当に賢い」。川田とトゥザワールドの間に絶対的信頼が結ばれた一戦だった。

 ハープスターもトゥザワールドも新馬戦からコンビを組み続け、大舞台にたどり着いた。競馬の楽しさを教え、癖を矯正し、ともに一歩ずつ歩んできた。「いい経験をさせてもらっている。だからこそタイトルを獲りたい」。勝てば21年ぶり、5人目となる同一年桜&皐月賞V。福永洋一(引退)、武豊が刻んだ伝説に肩を並べる。自信に満ちた今の川田なら、楽に越えられる壁かもしれない。

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2014年4月17日のニュース