【京成杯】無傷2連勝エアアンセム 伊藤正厩舎ゆかりの一族でG1だ

[ 2014年1月15日 05:30 ]

G1タイトルまであと一歩届かなかった近親の思いを背に重賞獲りに挑むエアアンセム

 今週の中山メーンは3歳重賞「第54回京成杯」。注目は新馬、ホープフルSと無傷の2連勝で駒を進めてきたエアアンセム。伊藤正厩舎ゆかりの血統馬がクラシックへ向け好発進。G1タイトルまであと一歩届かなかった厩舎の近親馬の思いを背に重賞獲りに挑む。

【京成杯】

 新馬→ホープフルSで無傷2連勝。エアアンセムの快進撃には伊藤正師も度肝を抜かれている。「新馬直後、もしかすると、我々が思う以上に走るんじゃないかと…。非常にクレバー。クラシックを意識します」

 後藤騎乗の新馬戦(東京1600メートル)は8番人気ながら、3番手から楽に抜け出す味な競馬。ホープフルS(中山2000メートル)も8番人気。中団追走から内をズバッと抜け、一躍クラシック候補になった。「2戦が異なる競馬場。マイル→2000メートルと距離も違うので競馬のスタイルも変わってくる。それを完璧にクリアした。賢いですね。性格的に優しい血統ではないけど、普段でもできる人間とできない人間を見抜いて接するような面がある」と同師は長所を把握する。

 ホレ込む背景には、大切に育んできた血統背景がある。祖母エアデジャヴー、母エアマグダラは共に師が管理。祖母は牝馬3冠皆勤も、オークス2着など、あと一歩で涙をのんだ。通算4勝と活躍した母も4歳夏で引退。「お母さんは性格がきつかったが、素晴らしい能力を持っていた。でも脚元が弱くて。デジャヴーはもう少しで勝つところまでいったが、G1は勝てなかった。(マグダラの兄の)エアシェイディもそう。頑張ってくれたけどね」。アンセムでのG1制覇は指揮官の悲願なのだ。

 後藤も再会を待ちわびている。「新馬戦は正直タイムオーバーになるかも…と思っていたぐらい。人間の想像をはるかに上回る馬なのかも。2戦目後の調教でも変化を感じた。今回も含め先々が楽しみ」と桁外れのスケールを感じている。

 放牧にはできる限り出さず手元で育てるのが流儀。京成杯出走は日々愛馬と接する師の決断でもある。「アンセムは1~2カ月後に伸びる段階が来る。それなら、変動が少ない今の時点で使う方がいい。関東ファンの期待?そうなってくれれば」。待望久しい東のダービー候補。アンセムの新年初戦には、ビッグな夢が詰まっている。

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2014年1月15日のニュース