【ダービー】12戦目のサムソンズプライド 叩き上げこそ“一族”

[ 2013年5月24日 06:00 ]

 【G1ドキュメント=23日】調教が一息ついた午前7時すぎ、寺下は河内厩舎の大仲(スタッフ控室)に向かった。元騎手の石橋守・技術調教師が休憩中だった。06年、メイショウサムソンとのコンビで皐月賞、ダービーの2冠制覇。その初年度産駒、サムソンズプライドがダービーに出走する。

 メンバーの戦歴を確認した石橋師は「これで12戦目か。サムソンも11戦目だった。使いながら良くなっていくのは、お父さんと同じや。しぶといところもサムソンに似ている」と、父子を重ね合わせた。

 昨年7月にデビューしたサムソンの初年度産駒は今年1月、ようやく初勝利(イルミナティ)を挙げた。そこからはコンスタントに勝ち星を重ね、7頭が勝ち上がっている。サムソンズプライドは未勝利Vまでに9戦を要したが、3連勝で大舞台の切符を手にした。

 「初年度産駒からダービーに出走するのは凄いことやな。ちなみに初年度産駒でダービーを勝った馬っているの?」

 最近では07年ウオッカ(父タニノギムレット)、09年ロジユニヴァース(父ネオユニヴァース)が初年度産駒でダービー制覇。師は「意外にいるんやな。勢いに乗って頑張ってほしい」とエールを送った。

 河内厩舎を出た寺下。そこで運命的な出会いが待っていた。メイショウサムソンが瀬戸口厩舎所属時に担当した加藤繁雄厩務員(現在は梅田智厩舎)とバッタリ。「年明けから産駒がポンポン勝っている。サムソンズプライドも相当しぶとそうやな」。こちらも父の持ち味に重ねた。ダービー馬はダービー馬から――。格言通りのドラマがあってもいい。

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2013年5月24日のニュース