【ダービー】コディーノ完璧!本番見据え府中で「瞬間移動」披露

[ 2013年5月24日 06:00 ]

東京競馬場で追い切ったコディーノ(右)

 10度目の挑戦でチャンピオントレーナーが頂点へ。「第80回ダービー」(26日、東京)に出走する藤沢和雄厩舎の3頭が23日、東京競馬場で木曜追い切りを行った。コディーノは横山典弘から乗り代わりで挑む大一番。新コンビのクレイグ・ウィリアムズ(36=オーストラリア)を背に「瞬間移動」の切れ味を披露し、完璧に仕上がった。同日午後、枠順も確定。24日、ウインズ新橋、後楽園で午後2~7時、前々日発売される。

【ダービー】

 東京競馬場の内馬場から、藤沢和師がすさまじい形相で視線を送る。馬上のウィリアムズがハミを掛けたのは直線の坂を上り切ったラスト1Fだけ。それでも、コディーノは瞬時に反応した。2馬身先行したルルーシュ(5歳オープン)に並びかける。蹄の先まで覇気がこもったストライド。「馬自身が直線で仕掛けられるのを待っていた。追い出すと凄い反応。トヨタの高級車に乗っているようだった」。新パートナーは乗り味の良さを口にした。「タイム(3F37秒7~11秒8)は遅いが、無駄な動きをせず落ち着きがある」。藤沢和師も語った。

 落ち着きを失うのが唯一の弱点。皐月賞(3着)でもレース前から気負っていた。東京競馬場を舞台にした異例の追い切りはテンションを上げないための勝負手。「美浦で追い切って、気を乗せてから競馬場に輸送すればますます気が高まる。穏やかな気持ちでレース当日を迎えさせたい」と説明した師。「東京向きは間違いない。直線が長いからゆっくり手前(軸脚)を替えてレースができる。変わっていい」と続けた。

 その瞬発力を“瞬間移動”と絶賛した横山典からウィリアムズへ乗り代わる大一番。師自らが悩み抜いた末に決断した。外国人騎手の方が腕が立つとは思っていない。過去9回で15頭を送り出してきたタイトルのためでもない。「俺やノリがダービーを勝っても、今さら人生が変わるもんじゃない。ただ、競馬に対する考え方が違ってきたんだ」。競馬を極めた2人に生じた、他者にはうかがい知れない競馬観の隔たり。たもとを分かつことになっても、横山典は「乗らなくてもあの馬の走りをずっと見ていくよ。本当に凄い馬だから」と言う。

 「ノリさんがずっと乗ってきたことは承知している。僕にできることは、いいポジションでリラックスさせて、勝てるように乗るだけ」。ウィリアムズは語った。勝って当然の仕上がり。チャンピオントレーナーに一切の妥協はない。

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