【東京大賞典】ローマンレジェンド 壮絶叩き合い制しG1初制覇!

[ 2012年12月30日 06:00 ]

東京大賞典を制したローマンレジェンドの岩田は会心のガッツポーズ

 12年を締めくくる競馬のダートG1「第58回東京大賞典」が29日、大井競馬場で行われた。岩田康誠騎手(38)騎乗の2番人気ローマンレジェンドが激しい叩き合いを制し、G1初制覇を飾った。鞍上は今年、JRA・G1・6勝を挙げ、12月の香港スプリントもV。最高の形で一年を締めくくるとともに13年は「世界にはばたく年」と、さらなる飛躍を誓った。JRA所属馬の優勝は7年連続となった。

 駆け付けた3万5000の観衆から岩田コールが湧き起こった。岩田はローマンレジェンドの馬上で両手を広げ、声援に応えた。

 人馬一体となったレースだった。動いたのは4コーナー手前。外から追い上げると、直線に入ってすぐ先頭に立った。だが、1番人気ワンダーアキュートが強襲し、ラスト200メートルで先頭を奪われた。それでも人馬は諦めなかった。ラスト100メートル。先頭を奪い返すと、内から迫ったハタノヴァンクールを抑えてV。岩田は喜びを爆発させた。

 「勝つために来た。直線半ばでかわされそうになったが、もう1回頑張ってくれた。馬に感謝ですね」

 JCダート制覇を最大目標に掲げ岩田はコンビを組み続けた。だが、JCで痛恨の騎乗停止処分。JCダートは直前でM・デムーロに乗り代わり4着に敗れた。

 「ズブさがある馬。自分は乗っているから分かっているんや。乗れなかった悔しさを晴らせて良かった」

 藤原英師は鞍上との相性の良さを強調する。

 「ミルコ(デムーロ)もそつなく乗ってくれるが、動かす位置に慣れている。JCダートは乗れなかったあいつが悪い。これでプラスマイナスゼロやな」

 今年はダートで7戦6勝の成績。来年のダート界を引っ張っていくのは間違いなく、この馬だろう。「今後は海外かフェブラリーS(2月17日、東京)か相談して決めたい。でも、最大目標はJCダートを取り返すことやな」と師。

 12年は岩田で始まり、岩田が締めた一年だった。JRA最初のG1、2月のフェブラリーS(テスタマッタ)を勝つと、ディープブリランテとのコンビで初のダービー制覇。さらにジェンティルドンナとのコンビで桜花賞、秋華賞、JCを制した。

 「来年は世界にはばたく年にしたい。秋にはジェンティルドンナと凱旋門賞という大きな目標がある。頑張っていきたい」。鞍上は高らかに宣言した。人馬にとって楽しみな13年がまもなく始まる。

 ◆ローマンレジェンド 父スペシャルウィーク 母パーソナルレジェンド(母の父オーサムアゲイン)牡4歳 栗東・藤原英昭厩舎所属 馬主・太田美実氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績13戦9勝(南関東1戦1勝)総獲得賞金2億4922万4000円。

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