【京王閣・ガールズGP】加奈子VS由香里 初代クイーン頂上決戦

[ 2012年12月28日 06:00 ]

笑顔で健闘を誓い合う女子競輪ツートップの中村(左)と加瀬

 加瀬VS中村――。ガールズ第1期生33人の上位7選手による一発勝負「ガールズグランプリ2012」(優勝賞金500万円)が11Rで行われる。7月から開催されたガールズシリーズ全23戦で圧倒的な強さを見せた加瀬加奈子と中村由香里がプロ選手として初対戦する。またスピード豊かな中川諒子、積極果敢な小林莉子らも加えて初代クイーンの栄誉を懸けて激戦が繰り広げられる。

 今年7月、女子競輪はガールズケイリンとして48年ぶりに復活した。なでしこレーサー33人がしのぎを削る中、圧倒的な強さを見せたのが加瀬加奈子と中村由香里。その2人がガールズグランプリの夢舞台でプロとして初対戦を迎える。

 初代女子卒記チャンプの加瀬は“男道”をモットーに掲げる先行力で、現在12連勝中と勢いに乗って大一番に臨む。一時代を築いた滝沢正光校長から「打鐘から仕掛けろ!!」とアドバイスを受けると、戦法の迷いが消え連勝街道を歩みだした。昨年11月W杯第1戦(カザフスタン)で落車し骨折した右鎖骨には固定金属プレートが埋まっていたが、今年10月21日に除去手術を行い「肩のしびれがなくなった」と状態も万全。心技体共に充実している加瀬は「先行して差されたら、また練習するだけ。大舞台で先行できるのは1人しかいないし、そこに美学を感じる」と迷いなき逃走劇を誓い、初代クイーンの栄冠を狙う。

 小学校の元教諭だった中村はプロスポーツ選手になる夢をかなえるため安定した収入を捨てて勝負の世界に飛び込んだ。在校成績1位の優等生は、デビュー後も加速力のあるダッシュを武器に白星を量産。「教え子たちが成長したように、私も日々成長する」と自分に言い聞かせホームバンクの京王閣で練習漬けの毎日を送り進化を遂げた。「加瀬さんも、他の5人もみんな持ち味を発揮してガールズGPを盛り上げたい。私はどんな展開にも反応して力を出し切ります」。逃げる加瀬を一気にまくり切る青写真を描いている。

 この“2強対決”に待ったを掛けるのが中川だ。S級1班でロンドン五輪に出場した兄・誠一郎と同じダッシュタイプ。前々に踏み込んで間隙(かんげき)を突くだけのポテンシャルは十分ある。注目度の高い女子競輪の開幕戦で優勝した小林、今年3Vの増茂も力を付けており、第1回ガールズGPは歴史に残る名勝負が期待できそうだ。

 ▽ガールズグランプリ選考基準 正選手7人、補欠1人(戸田みよ子)。選考期間(今年7~9月)における平均競走得点上位者より順次選抜した。同点だった場合は、同期間における勝率上位者を優先。ただし、選考期間における出走回数が10走未満の選手、9月から選手選抜時までの期間において2回以上失格をした選手は選考から除外される。

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