【北九州記念】オオタカ12秒0!“第二の故郷”に勇気を

[ 2011年8月11日 06:00 ]

<北九州記念>追い切りを行うテイエムオオタカ

 函館から約2000キロの長距離輸送を経て小倉にやってきたテイエムオオタカ。北九州記念追い切りで、その疲れを感じさせない動きを披露した。ダートコースで長めに追われて6F83秒2、ラスト1Fは気合を付けられて12秒0だ。「乗りやすくて頭のいい馬。キャンターから指示に従順だった。あとはこの馬の形に持ち込めるかどうかだけでしょう」と手綱を取った西谷(レースは和田)が好感触を口にする。

 当初はUHB杯(7月31日、函館)に向けて調整されていたが、九州が地元のオーナーの意向で急きょ北九州記念への参戦が決定。そこでまずは7月21日に函館から1日かけて美浦に移動。追い切りを1本消化後、今月3日に美浦からまたも1日かけて小倉へ入った。

 「到着直後は少しカイ食いが落ちたけど、もう戻っている。台風の影響で小倉が涼しかったことも良かったのか、思いのほか順調。きょうも15~15でしまいだけと思っていたけど、これだけできたからね」

 はるばる美浦から駆け付けて調教を見届けた石栗師は満足げな笑みを浮かべる。開業12年目での初重賞制覇が懸かる一番へリラックスモード。しかし心の奥には“このレースだけは…”の思いがある。「テイエムさんがね…。弔い合戦じゃないですが、何とか元気の出るような走りをしたい」

 6日夜、オオタカもデビュー前に調整されていた北海道日高町のテイエム牧場門別育成場が火災に遭い、13頭の育成馬が命を落としたのだ。“第二の故郷”を勇気づける走りで、スプリント界のニューヒーロー誕生を印象付ける。

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