見上愛 多彩に活躍する春 民放ドラマ2期連続出演&雑誌コラム連載

[ 2024年3月26日 09:00 ]

さまざまな表情を見せる見上愛(C)竹内誠
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 【牧 元一の孤人焦点】フジテレビ系のドラマ「春になったら」(3月25日最終回)で強い存在感を示した俳優の見上愛(23)がインタビューに応じた。4月からはフジテレビ「Re:リベンジ─欲望の果てに─」で2期連続の民放ドラマ出演。さらに3月28日発売の雑誌「装苑」5月号からファッションに関するコラムの連載を始める。その胸の内を聞いた。

 ──ドラマ「春になったら」で主人公・瞳(奈緒)の親友・美奈子をどのように演じたのですか?
 「みんなが経験したことのある片思いや失恋の部分は悲劇の人にならないように気をつけながら丁寧に演じよう、女性同士特有の友情関係は私が女子校出身なのでその感じをうまく出せたらと思いました。放送されていく中でプロデューサーさんから『美奈子の気持ちになってドラマを見てくださっている女性が結構多い』とうかがい、思っていた以上に皆さんに共感して頂いているのをうれしく思いました」

 ──見上さんはこれまで先鋭的な役柄を演じることが多かった印象です。例えばドラマ「きれいのくに」の容姿にコンプレックスを抱く女子高生、映画「衝動」のトラウマから声を出せなくなった少女、ドラマ「往生際の意味を知れ!」の元彼に「精子がほしい」と持ちかける女性…。美奈子のような役柄は逆に演じにくかったのでは?
 「いえ。現場に入った時、みなさんの空気感が出来上がっていて、その中に入ると自然に美奈子になれました。美奈子は親友に対しても少し距離を置くことで、友情関係のバランスとっている。そこを意識したら意外とすんなり演じられました」

 ──奈緒さんとの共演はいかがでしたか?
 「凄く楽しかったです。本当に友だちだと思うくらい仲良くなりました。お互いに演じていく中で役柄として言いづらいセリフがあった時にはスタッフさんに『変えてもいいですか?』と聞いてくれたり、アドリブも結構あって、奈緒さんの発想力は凄いなと思いました」

 ──この作品に出演したことで役者として得たものはありますか?
 「木梨憲武さんのお芝居が勉強になりました。台本の流れに沿ってセリフを自分の言葉に変える。その時感じたことを100%出す。セリフにとらわれず、セリフを超えたところまで行ってしまう。それを監督さんが整理していく。木梨さんは自分と役が重なっていて、だから、言葉がどんどん出てくる。撮影以外の時も役と重なったままだから、例えば『美奈子は岸くん(深澤辰哉)とくっつけばいいんじゃん!?おれが岸くんに言ってあげるよ』なんて言ったりもします(笑)。セリフから解き放たれたお芝居をして、そこに全く嘘がない状態を作れるのは凄い才能だと思いました」

 ──アドリブの芝居が続いて大変だったのでは?
 「木梨さんの言葉に素直に反応していくのが楽しかったです。面白い時は笑っちゃってもいい(笑)。むちゃぶりに対してはあわてるんですけど、日常生活だと友だちの父親に対しては気まずさもあるでしょうから、ちょうどいい距離感、リアルさが出たと思います。木梨さんとお芝居をしていて、セッションとはこのことだ!と思いました」

 ──次はフジテレビのドラマ「Re:リベンジ─欲望の果てに─」(4月11日スタート、木曜10・00)出演です。赤楚衛二さんが演じる主人公の後輩で、不可解な事件の謎を追究していく週刊誌の記者役。民放のドラマに2期連続でレギュラー出演することになりますが、この役柄はいかがですか?
 「今まで演じたことがない役柄なので、働いている人のリアルな感じや、スクープを取りたいという熱量の出し方が難しいと思いました。このドラマに出演されている芳根京子さんが女性週刊誌の編集者を演じたNHKドラマ「半径5メートル」を参考に拝見しました。それから、実際に週刊誌を読んでみて、ページ構成や意外に文字数が多いことなどを知って、記者としてスクープを取り記事を書くことへの実感がわきました」

 ──見上さんのどんな新たな一面を視聴者に見てもらえそうですか?
 「ツンデレの部分でしょうか。撮影前、監督さん、プロデューサーさんから『ツンデレで!』と言われたので、それを守って演じています。これまでもツンデレを演じたことはあるんですけど、今回は計算していないツンデレ、そのせいで失敗しちゃうような不器用なキャラなんです。赤楚衛二さんが演じる主人公のことが好きだからこそ、いろんなことをしてあげちゃうんですけど、思いが伝わりきれないところがあります」

 ──初共演の赤楚さんはどんな人ですか?
 「お芝居をしている時の印象と違って、不思議な方です(笑)。天然とはまた違うのですが、ご本人が当たり前だと思っていることに凄くツッコミどころがあって、いい抜け感のある方です」

 ──3月28日発売の雑誌「装苑」5月号から、ファッションに関するコラムの連載が始まりますが、なぜコラムを書くことになったのですか?
 「3年前に装苑さんで『私がやりたことをやろう』という企画で宇野亜喜良さんと対談させて頂いたんです。それ以来、編集の方に『いつか愛ちゃんの連載コラムのページを作りたい』と言って頂いていて、ついにその時が来た!念願がかなった!という感じです」

 ──文章を書く仕事は?
 「凄く楽しいです。高校時代からよく文章や詩を書いていて、ずっと言葉で表現する仕事をやってみたいと思っていました。実は小学生の時、作文教室に通っていて、文字数制限がある文章を書くことが好きで、作文は文字数ぴったりで誰よりも早く書き終わっていました。高校生の時、反省文を書かなくてはいけないことがあって、すぐに書いて提出したのですが、先生に『早すぎる。800字詰め原稿用紙にぴったり収まるのはおかしい。書き直せ』と怒られたこともあります(笑)。大学受験の時は、真っ白な紙2枚で自己表現するという問題があって、新聞記事風に自分で自分にインタビューしているような文章を書いたこともあります」

 ──どんなコラム連載になるのですか?
 「私は普段、着る服を選ぶ時に、今日はどういう自分になりたいか?という基準で選んでいるのですが、コラムも、こういう気分になりたいからこういう服を着る!みたいな感じで書いていこうと思っています」

 ──自分の文章が多くの読者に読まれることは?
 「ちょっと緊張します。親しみを持って読んで頂けたらうれしいです」

 ──雑誌と言えば、中学・高校の同級生の写真家・久保田伶奈さん、彫刻家・山田結子さん、モデル・志鎌にいなさんと4人で昨年6月に創刊した雑誌「Muffin magazine(マフィン・マガジン)」はその後どうなっていますか?
 「今、第2号の準備をしていて、年内には出したいなと考えています。一時期、ほかのメンバーのモチベーションが全くなくなって、もう作らないのかな…と思っていたのですが、ある日急に2人くらいのモチベーションが上がったみたいで『夜遅くでもいいから来て!編集長なんだから』と呼ばれて、仕事終わりでスッピンなのに写真をバシャバシャ撮られました。でも、その感じが私たち4人っぽくて、いいな!と思いました。創刊号の時、展示会を開いて販売をして結構ビジネスベースにしてしまったところがあったのですが、それを捨てたいという気持ちがみんなにあって、今回、捨てられそうなので良かったです」

 ──内容は?
 「前回は少年性を大事にしましたが、今回は少女性を大事にしようと思います。両方やることで、少年性と少女性のいずれからも解き放たれたい。そうすれば『男っぽい、女っぽい』の先の表現ができるようになるんじゃないか…。シュールなガーリーさがある1冊になりそうです」

 多彩に活躍する春となる。

 ◇見上 愛(みかみ・あい)2000年(平12)10月26日生まれ、東京都出身の23歳。21年のNHKドラマ「きれいのくに」で注目される。同年公開の映画「衝動」に主演。22年からJRAの年間プロモーションキャラクター。同年、TBS系のドラマ「liar」に主演。23年、TBS系のドラマ「往生際の意味を知れ!」に主演。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) スポーツニッポン新聞社編集局文化社会部専門委員。テレビやラジオ、音楽、釣りなどを担当。

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