酒井藍 新喜劇座長は細胞レベルで決まっていた!? みんな大好き“藍ちゃん”のチーム掌握術とは!?

[ 2024年3月25日 11:00 ]

新喜劇座長7年目を迎えた酒井藍
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 愛くるしい笑顔と体型で関西みんなのマスコット的存在、酒井藍。吉本新喜劇で初の女性座長として就任7年目を迎えた。小学生の頃から吉本新喜劇に入りたくてその夢をかなえ、理想と現実のギャップに悩むこともなく、37歳になった今も全力で新喜劇を愛している。家の近所の公園で芸人のモノマネをしていた小学校時代から、街を歩くと声をかけられないことがない人気芸人となった現在まで、“藍ちゃん”がおもしろおかしく振り返った。(取材・構成 江良 真)

【酒井藍インタビュー(1)】

 ―座長就任7年目。もう板についてきたのではないでしょうか?

 「全然です(笑い)。NGK(なんばグランド花月)と祇園花月の1カ月に2度初日があるんですけど“また初日が来てまうー”となります。ビビリなんでドキドキしますね」

 ―7年間変わらず?

 「変わらず(笑い)。うまくいきますように、と祈りながらやってます」

 ―初の女性座長でも話題になりました。今も唯一無二の女性座長です。

 「ありがたいことですが、実際に言っていただいたときはドッキリやと思ってました。呼ばれた部屋もなんか変で。めっちゃ広い部屋に長ーい机があって、ちっちゃいペットボトルの水がポンと置いてあって。入ったときも私1人。あーあ、引っかかったわ、と思ってました」

 ―そのシチュエーションだと、TVカメラも入りやすいですね(笑い)。

 「でも、偉い人に就任を告げられて、“おめでとうございます!”って泣いてくれてる社員さんとか、“良かったなー”って肩をポンポンと叩いてくださる社員さんとかいて、わ、ほんまなんやと思って“わー!うわー!”という気持ちでした」

 ―劇団員さんの反応はどうでした?

 「(浅香)あき恵姉さんとか宇都宮まきさんとか、他にも新喜劇を支えてきてくれはったベテランさんらが“良かったなー、頑張ろなー”って言いながら泣いて抱きついてくれて、本当泣けました。うれしかったです」

 ―特に浅香さんは本当に藍さんのことが大好きなようで、とても喜んでおられたことを記憶しています。

 「新喜劇にはギャグとかボケとかツッコミとかいろいろありますが、一番大切なのはお芝居なんです。あき恵姉さんはそれをずっと引っ張ってこられた方。芝居でわからなかったら“姉さんやったらどうしますか?”と聞くぐらい頼りにしています。姉さんだけでなく、とにかくベテランの方がたくさんいらっしゃるので、わからんかったら、兄さん姉さんに今でもめっちゃ聞くんです」

 ―それは座長7年目の今もですか?

 「はい。この前、(池乃)めだか師匠と久しぶりに舞台に出させていただいたんですが、思わず“うまっ”と声が出そうになるくらいボケ方が絶品で。ベタなボケほど難しいんです。私やったら、さあボケまっせ、みたいな顔をしてしまうんですけど、めだか師匠はボケる前までサラッとしてるんです。うどんを食べてボケるお決まりのギャグなんですが、すすり方もすごくて、ほんまに食べてるの?って思うくらい。その後に“う、う、”と苦しい顔をする演技もすごくて、ほんまに大丈夫?って思うくらいなんです。お客さんもオチわかってるんですけど、“う、う、うまい!”となったらドッと笑いが起きるんです。ほんまスゲーと思いますね」

 ―そんな大先輩もまとめないといけない立場です。

 「でも、私としては“よし、いこうぜ”という感じではなくて“よろしくお願いします!”という感じなんです。絶大なる信頼を皆さんに置いているから。個々のレベルは近くで見てる私が一番よくわかっているので、まとめるというよりも頼ってる感じです。それは先輩に限らず後輩の人もそう。ここはああいう言い方のほうがいいやすいですかねえ、とか言ってくれたら、そやなーとか相談しながらやってますね。まとめるというよりも、とにかくお願いしています(笑い)」

 ―それでも一体になることができるのは、藍さんの人柄なんでしょうね。

 「いえいえ、とんでもない(笑い)。でも皆さん、ほんとに新喜劇ラブという気持ちは伝わってきますね。めだか師匠と絡むと毎回ボケを替えてきてくれるし、辻本(茂雄)兄さんとかも、稽古中に芝居のアクセントをつけてくれて流れが良くなって“ありがとうございます!”ということはよくあるし、内場(勝則)兄さんの急に繰り出すボケって毎回違ってスゲーとなって勉強になるし、小藪(千豊)兄さんは私の1ボケを10にウケさせてもらえるようなツッコミをしてもらえるし。おまえが頑張れよって感じなんですけど(笑い)、周りの皆さんがすごいから、もっと頑張ろう、絶対サボったらあかんやんと思うんです」

 ―藍さんは、みんなが担ぎたくなる神輿(みこし)という感じでしょうか。

 「だいぶ重いですよー(笑い)。昔、宝恵(ほえ)かご乗せてもらったことがあるんです。最初に乗るってなったときに“私なんか担げるんかな?”と思ったら、お相撲さんが乗るのと同じやつで、みんな引いてました(笑い)。こんなタイプのかごもあるんやってビックリしました」

 ―(笑い)

 「私の感覚では横並びで一緒に走ってる感じですかね。担がれるのは重たいから申し訳ないんで(笑い)」

 ―座長さんによって全然違うんでしょうけど、藍さんのチームはアットホームな感じなんでしょうね。

 「そうならいいな、とは思います。私、後輩の人にはまずお任せするんです。今後につながることが後輩の人から出てきたらいいなって思うので。違うかったら、もうちょっとああしたら?とか一緒になって考えてみるんです。結局答えが出なくて、ただ悩んで終わるときもあるんですけど、“これ、やってみてもいいですか?”“やってみよう!”となって、ウケたときの方がイエーイ!となれるんですよね。みんなでイエーイ!となれる方が楽しいですから」

=(2)に続く

 ◇酒井藍(さかい・あい)1986(昭61)年9月10日生まれ。奈良県磯城郡出身の37歳。奈良県警察で働きながら07年9月に吉本新喜劇「第3個目金の卵オーディション」に合格し、新喜劇入り。巨体を揺すりながらの明るいボケで瞬く間に人気者となった。テレビ番組にも数多く出演し、関西では屈指の人気に。17年、30歳で吉本新喜劇座長に就任。女性としては史上初、座長4人制となった99年以降では最年少の就任となった。

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