「ブギウギ」母娘再会 趣里は朝ドラヒロインの先輩・中越典子と仲良く会話

[ 2024年3月8日 08:45 ]

連続テレビ小説「ブギウギ」でスズ子(趣里)とキヌ(中越典子)が話す場面(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】3月8日放送のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」第111回で、主人公の歌手・スズ子(趣里)と実母・キヌ(中越典子)の再会が描かれた。

 キヌがスズ子の育ての父・梅吉(柳葉敏郎)の葬儀に参列。2人はその後、近くの松林で、久しぶりに会話する。

 制作統括の福岡利武氏は「あの場面は香川で撮影しました。久しぶりの登場となる中越さんは2人のあの距離感でのお芝居を『難しい』とおっしゃっていましたが、しっかり準備して頂いて、良いシーンになりました。セリフとして語られてはいませんが、キヌさんの『済まなかった』という思いとスズ子の『そんなことはない』という思いが表れ、親子の出発と感じられるようなシーンになりました」と語る。

 あのシーンで、別れ際にスズ子が「また会いましょうね」と声をかけた時、そして、スズ子が娘の愛子(小野美音)に2人の関係を尋ねられ「マミーのマミーや」と答えた時のキヌの繊細で深遠な表情が涙を誘った。

 福岡氏は「2人で話しているうちにスズ子の『また会いたい』という思いが自然に出てくるのが良いと思いました。脚本の足立紳さんもそういう思いで書いたのだと思いますし、演出の二見大輔くんもあのシーンが大事だと考えて工夫を凝らせて撮影しました。あの松林は第5週でスズ子が自分の出生に関する話を聞いてなんとも言えない気持ちで走り出す場面と同じ場所で、今回の撮影で趣里さんも『走った所だ!』と言っていました。香川の良い場所、良い空気も相まってあの良いお芝居が生まれたのだと思います」と振りかえる。

 この回の前の第110回で、スズ子は危篤状態の梅吉と、血縁に関して少ない言葉で語り合った。
 
 福岡氏は「スズ子は梅吉とのあの会話で感じるところがあってキヌのことを『マミーのマミーや』と言えたのだと思います。スズ子としては梅吉とツヤ(水川あさみ)は育ての親ではなく本当の親だという思いを遂げたかった。ツヤが亡くなり梅吉が亡くなった後でようやくキヌのことを母親だと言える心境になる。しかし、そうした流れを事前に強く意識して作ったわけではありません。梅吉の死をしっかり描こうとする中で自然にそうなりました」と説明する。

 中越は2003年のNHK連続ドラマ「こころ」に主演。趣里にとっては朝ドラのヒロインの先輩に当たる。

 福岡氏は「香川ロケは寒い日で、2人は温かいものを飲みながらずっと話をしていました。中越さんは朝ドラのヒロインの大変さをよく分かっているので、趣里さんに『無理をしないように』と気遣っていました。あの時、中越さんと趣里さんが仲良く話したことがあのスズ子とキヌのシーンに生きていると思います」と話す。

 中越はこの香川ロケで撮了したという。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) スポーツニッポン新聞社編集局文化社会部専門委員。テレビやラジオ、音楽、釣りなどを担当。

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