唐木明子氏 宝塚、5年前の飛び降り事案浮上に「最低限のことも変わってないので今回、1人の命が…」

[ 2023年12月8日 11:35 ]

宝塚大劇場
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 世界中にネットワークを持つPwCで、戦略コンサルティングを担う「Strategy&」に所属する唐木明子氏が8日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月~金曜前8・00)に出演。宝塚歌劇団宙組に所属する女性(25)が急死した問題について言及した。

 遺族の代理人弁護士が7日に都内で会見し、上級生のパワハラがあった証拠として、女性が生前、母親に被害を訴えたLINE(ライン)のメッセージを公表するなどしたことに言及した。亡くなった女性はラインに、深夜まで叱責され「まだかえれん」などと苦しい心情をつづっていた。遺族側は、こうした内容を含む意見書を5日付で歌劇団側に送付。パワハラを認めなかった調査報告書は誤りだと訴えている。

 遺族側は、女性が2021年8月、上級生にヘアアイロンで額にやけどを負わされたと主張。女性はラインで「わざとな気がする」と示唆し「ちゃいろになってる」「さいあく」などと記述。意見書には痕が残った額の写真を添付し、証拠があるのに、調査報告書がパワハラと認定しないのは不当だと批判した。

 また、女性は23年度から下級生のまとめ役となっており、遺族側は、歌劇団が過重業務を課し、上級生が執拗に叱責したことがパワハラに該当すると主張。意見書では、上級生3人が9月2日の稽古終了後に女性を呼び出し、「責任は取れ」「もう後がない」などと未明近くまで怒声を浴びせたと指摘した。ラインには、午後11時40分ごろに「まだかえれんわ」「上の人おるから」と母親に送信し、翌3日には「ごめんなやめたいやめたいいって」「結構きつくて」などと追い詰められた心情をつづっていた。

 歌劇団をめぐっては、9月に女性が転落死し、遺族側は上級生のパワハラなどが原因で自殺したと主張。劇団とパワハラを行った上級生が真実を認め謝罪することを求めているが、劇団側は外部弁護士による調査結果の報告会見でいじめやパワハラを否定。上級生からヘアアイロンでやけどをさせられたという遺族側の主張については、劇団診療所から「ヘアアイロンのやけどはよくあること」などと報告を受け、やけどをさせられたという客観的証拠もないため「事実であるかを判断することは困難」とした。新理事長に就任した村上浩爾氏(56)は、11月の会見で遺族側の主張について問われ「証拠となるものをお見せいただきたい」などと発言していた。

 番組では、5年前に宝塚音楽学校で女性の飛び降り事件があったが、劇団側はこれを公表しなかったと伝えた。全治3週間のけがを負った女性の親族がパワハラがあったとし「今回と全く一緒。正直なところ、また起きちゃったなと思いました」「(歌劇団側の)会見の姿を見ても変わっていないと感じた」と話すインタビューや、親族と歌劇団側のやり取りの音声などを放送した。

 唐木氏は「5年前の事件が解決していないというところに関しては、親の立場からすると、親はとても大切な子供がこういう目にあったと心が痛むのと同時に、おそらく親御さんもご本人も本当に宝塚のファンだと思う。本当に育っていく過程で心からずっとずっと好きで、いつか出られたらいいねって言ってきて、しかも入学を認められたので、自分がインサイダーになっているというか、運営側の一員になっているという、凄く動きにくい状況にあるんだと思う」と推察し「自分の子供が被害に遭っただけだったら強く出ることができる。そうではない複雑な思いがあるので、平行線になっているのかなという気がします」と話した。

 そのうえで「ただそれがゆえに、5年前が対応できなかったということにつながってしまっているような気がする。通常5年というと体質を本格的に変えるには短いです。本当に企業、組織が変わるためには10年、長ければ30年くらいかかると言われている」としつつ、「5年は短いんですけれども、1つのことをやり遂げる、1つのことだけをなくすのであれば3年でやる。3年あればある程度のことができるはず」と言い、「最低限のことも変わってなかったから今回、最悪の1人の命が失われることが起きてしまったということを考えると、5年でするべきことがされなかったのであろうと。この先もっとやらないといけないことが本来的にはあると思います」と自身の考えを述べた。

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