羽生九段 羽織の裏地、ひも、草履も…全部“ウサ着” ツキ呼ぶ勝負服反響 見せつけたウサギ愛

[ 2023年2月10日 05:09 ]

第72期ALSOK杯王将戦7番勝負第4局第1日 ( 2023年2月9日    東京都立川市「SORANO HOTEL」 )

裏地にウサギ柄が入った羽生九段の羽織(「銀座もとじ」提供)
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 羽生善治九段(52)は「勝負服」で第4局に挑んだ。自宅で2羽を飼育するウサギ好きで知られるが、この日は羽織の裏地、羽織ひも、草履の鼻緒にウサギがあしらわれた“ウサギ推し”の装い。大好きなウサギに囲まれ必勝を期す。

 この日、羽生は対局の舞台となった「SORANO HOTEL」にあやかったのか、青空のような水色の羽織姿。裏地は東京友禅作家の生駒暉夫氏が描いたウサギが月を眺める絵柄になっている。

 着物を用意した「銀座もとじ」(東京都中央区)の担当者・佐々木伸悟さんによると、男性の羽織の裏地を柄ものにするのは「男の裏勝り」と呼ばれ、江戸時代がルーツという。幕府の倹約令で無地の着物を着ていた男性たちが、「額裏」といわれる裏地に好みの柄を忍ばせてこっそりおしゃれを楽しんだもの。「裏に勝負の柄を入れる遊び心」(佐々木さん)という。

 今年の干支(えと)でもあり、ウサギを愛する羽生に3色の表地とともに提案。羽生が羽織の色を選び、4局目に合わせて仕上がった。これまで、裏地に柄を入れることは「あまりなかった」(同)という羽生だが「ウサギは跳躍するし、月に棲んでいるといわれることから“ツキを呼ぶ”という意味もあります」(同)と縁起もいい、まさに勝負服となった。

 さらに、草履の鼻緒にもウサギ。こちらは1865年創業の「丸屋履物店」(品川区)の6代目店主・榎本英臣さんが将棋連盟を通じて羽生に贈った。「ウサギの鼻緒を紹介したSNSを羽生さんの奥さまの理恵さんがリツイートしてくださった縁で贈らせていただいた。タイトル戦で履いていただけてうれしいです」と声を弾ませた。

 また、今期王将戦の羽織ひもは第1局からウサギ。今回は羽織に合わせて組みひもにも水色を入れた。ウサギ愛を見せつけた羽生に、インターネットでは「かわいい」「粋」「羽生家のウサちゃんが一緒にいてくれるよう」との声が上がった。

 ≪「うさぎファース党」≫羽生家では、現在「れもん」「ラムネ」の2羽を飼育。ラムネは福岡県の公園に遺棄されていた「保護ウサギ」を招き入れた。過去にも「さくら」「ゆき」というウサギを飼っており、理恵さんはSNSで「うさぎファース党」を名乗るウサギ愛にあふれた家庭。SNSでは羽生とウサギの写真や、ウキウキしながらウサギに好物の野菜を届ける羽生の様子などがつづられている。

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