渡辺徹さん “茨城の郁恵ちゃんファン”からのゴールインだった 貫いたおしどり夫婦愛 

[ 2022年12月2日 14:38 ]

2021年、「いい夫婦 パートナー・オブ・ザ・イヤー2021」でビールで乾杯する渡辺徹さん、榊原郁恵夫妻
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 11月28日に敗血症のため61歳で死去した俳優でタレントの渡辺徹(わたなべ・とおる)さんは妻で歌手の榊原郁恵(63)で、おしどり夫婦として知られた。もともと渡辺さんが榊原のファンだった。

 茨城県の実家の自室にはっていた唯一のポスターが榊原のもので、天井にあったという。初めて買ったレコードも榊原の「ラブリー・ポップ」。渡辺さんを知る地元の人からは親しみを込めて「ファンから結婚するなんてズルい」という声が上がっていた。郁恵愛は最後まで変わらず「着信音は妻の曲」とトーク番組で明かしてスタジオをわかせたこともあった。
 
 出会いは榊原が司会を務めていた日本テレビの歌番組「ザ・トップテン」。「約束」が大ヒットした1982年に出演し、うれしさのあまり「よろしくお願いいたします」と廊下ですれ違った時にあいさつしたが、自分に飛びついてくるとの妄想をしていただけに、榊原の反応が「あ、どうも~」だったことでがっかりしたとバラエティー番組で明かして笑いを誘っていた。

 84年のドラマ「風の中のあいつ」で共演し、交際に発展。87年、当時まだまだ壁が厚かったアイドル同士の結婚を果たした。周囲に祝福されるように3年かけて、粘り強く周りに説得して回ったのが渡辺さん。のちに「“風の中のあいつ”での共演は“太陽にほえろ!”のオーディションに合格した時ぐらいうれしかった」と振り返っていた。ゴールインへ向けて、男らしく真摯(しんし)に関係者に向き合い、守ってくれた渡辺さんに榊原の信頼はますます大きくなっていった。結婚後も2人の絆は揺らぐことなく、2型糖尿病や膵炎(すいえん)などの闘病を繰り返した渡辺さんのために榊原は家庭菜園を始めるなど、献身的に手料理でサポートした。

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