お宝ドラマ「六番目の小夜子」を再放送するNHK「イッキ見」

[ 2021年7月30日 08:45 ]

NHK「深夜のイッキ見!まつり」で再放送されるドラマ「六番目の小夜子」のキービジュアル(C)NHK
Photo By 提供写真

 【牧 元一の孤人焦点】NHKが30日深夜から総合テレビでドラマ「六番目の小夜子」を再放送する。

 2000年に教育テレビで放送した作品。17年に小説「蜂蜜と遠雷」で直木賞、本屋大賞を受賞した人気作家・恩田陸氏のデビュー作が原作で、ある中学校の「サヨコ伝説」に関わるミステリー仕立ての学園ドラマだ。

 目を引くのは出演者の華やかさ。中学生役を演じているのは、鈴木杏、栗山千明、山田孝之、勝地涼、松本まりか、山崎育三郎だ。放送から21年後の現在、山田がNetflixオリジナルシリーズ「全裸監督」で注目されるなど、それぞれが活躍している。

 このドラマの再放送はNHK「深夜のイッキ見!まつり」の一環。連日、長時間にわたって五輪中継を続ける中、視聴者の多様なニーズに応えようとする試みで、過去のドラマやドキュメンタリーをピックアップ。既に20年の連続テレビ小説「エール」総集編や19年のドラマ「トクサツガガガ」などを再放送している。

 再放送後の1週間、番組配信サービス「NHKプラス」で視聴できるのが特徴。深夜に見始めて途中で寝てしまっても、翌朝以降、続きを見ることができる。

 「NHKプラス」編集長の松井奈保子氏は「NHKには、さまざまな番組の再放送を希望する声がもともと多い。東京五輪以外の番組に関心がある方々もいる。深夜にこれだけの番組を並べるのは、NHKの編成として異例だが、昨年3月にNHKプラスを始めたことで、パソコン、スマホ、タブレットで見ていただける環境が整った。東京五輪は時差がなく深夜の中継がないこともあり、この機会により多くの番組に触れていただきたいと、編成担当者と考えた」と話す。

 数多くの番組の中から選んだ1つがドラマ「六番目の小夜子」。既に再放送された「エール」総集編や「トクサツガガガ」が最近の作品である中で、21年前の作品は異彩を放つ。

 松井氏は「30代前半の若手職員が集まって『再放送とNHKプラスの見逃し配信で見たいドラマは?』という話をしたところ『六番目の小夜子』を強く推す意見が出た。出演者がそうそうたる顔ぶれで、今や主役級の人たちばかり。21年前にご覧になった方々は懐かしく思うだろうし、ご覧にならなかった方々は『あの人がこんなドラマに出ていたんだ!?』と思うだろう。話題性があり、作品のクオリティーも高く、編成するに値すると考えた」と説明する。

 作品は1話29分で全12話。30日深夜から8月1日深夜まで順次再放送され、NHKプラスで見逃し配信される。

 出演した鈴木杏は再放送に際して「共演者のみんなが大活躍しているのを見ていて、この『六番目の小夜子』はすごいドラマだったんだなぁと感じています。再び多くの方に見ていただけること、とってもうれしいです。あどけない姿に少し照れる気持ちもありますが、楽しんでいただけますように!同窓会したいなぁ!!」とコメントしている。

 お宝ドラマも楽しめる「イッキ見」。今後も古い作品の再放送はあるのだろうか?

 松井氏は「『六番目の小夜子』のような過去の作品のニーズはあるかもしれない。NHKには大量の映像資産があるので、今後、検討していきたい。できるだけ多くの方々の声に応えたい」と話した。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。

続きを表示

2021年7月30日のニュース