「ポケモン」サトシ役・松本梨香が壮絶な人生語る 絶望を救った山寺宏一の言葉

[ 2020年11月9日 23:23 ]

声優の松本梨香
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 声優の松本梨香(51)が9日放送の日本テレビ「人生が変わる1分間の深イイ話×しゃべくり007合体SP」に出演。知られざる壮絶な人生を明かし、声優になったきっかけを明かした。

 アニメ「ポケットモンスター」のサトシ役などで知られる松本は、父親が大衆演劇の座長で、「父の舞台を継ぎたいと思いました」と語る。松本には1歳年上の兄がいたが、障がいがあり「お兄ちゃんがしゃべれないから、いじめられたりしたこともあって。体当たりをして守ってました。『兄ちゃんを受け入れない友達はいらない』って。結婚も、『兄ちゃんは一緒に住むから、ちゃんと理解してくれる人じゃないと結婚できない』って」と兄のことを第一に考え、人生を歩んできたという。

 高校卒業後、父の舞台を継ぐために俳協養成所へ。卒業後1年でこまつ座の「雨」という作品で大役をつかみ取る。「兄がチラシを持ってみんなにアピールをしてくれて。その姿を見たときに、言葉が難しくても一生懸命伝える姿は感動しました」。しかし、不幸は突然訪れ、公演中に兄が心筋梗塞で21歳の若さで急逝してしまった。

 不幸は重なる。「結核になって、1週間見つかるのが遅かったら命が危なかったって。(医師から)『舞台やったら死ぬと思ってください』」と宣告された。兄を支えること、父の舞台を継ぐこと、松本は2つの希望を失ってしまった。

 絶望を救ってくれたのが、養成所時代に同期だった声優の山寺宏一(59)だったという。「山寺さんに『声の仕事って難しい?』って聞いて。そうしたら『お前だったら大丈夫じゃない』って」。その言葉を胸に、初めて受けたアニメ「おそ松くん」のオーディションでチョロ松役に大抜てき。「(セリフに)ダジャレとか面白いオチとか入れたりしてたんですよ。親父ギャグを入れられると思って、3つ4つ足してたんです」。大衆演劇で学んだ人を楽しませる姿勢が合格の決め手となったという。

 その後も100本を超える作品に出演し「ポケットモンスター」のサトシ役は23年も務める当たり役に。「サトシは自分なんです。新しい物語に出会うから、今日こんなことがあったなって、ストーリーと向き合っていくんです」。

 声優になったことを「めちゃくちゃ楽しいです、なるべくしてなったのかなって。お母さんのお腹の中に、お兄ちゃんが忘れてきたものを、私が後から全部もらって産まれてきたんだって。あの頃の兄ちゃんと一緒に過ごしたものが表現に繋がっているなって。アニメーションとか戦隊モノを兄ちゃんが好きだったので」と話した。

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2020年11月9日のニュース