元バレー日本代表・狩野舞子 YouTubeで輝くボケ 「選手の時からこんな感じ」

[ 2020年8月25日 12:30 ]

YouTubeチャンネルで個性を発揮する狩野舞子
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 【牧 元一の孤人焦点】7月にYouTubeチャンネルを開設した元バレーボール日本代表の狩野舞子(32)がインタビューに応じた。配信動画は自身の高身長(1メートル85)をいじるなどボケの要素がたっぷりだが、「自分としては選手の時からこんな感じだったので…」と淡々と語った。

 バレーボールの有力校・八王子実践高校のエースとして活躍し、2007年に久光製薬スプリングスに入団。09年に全日本代表入りし、12年のロンドン五輪の代表メンバーに選出された。18年の引退まで、一般的なイメージはクールビューティーだ。

 「『現役の時はこういうイメージがなかった』とよく言われます。でも、私に近い人は、私が面白いことが好きな人だと分かっているので、そういう人には『もっと出しなよ』と言われます。まだ、私を知ってもらうためのイントロダクションという感じです」

 配信動画の企画のひとつ「解体新書」の初回のテーマは高身長。身長測定器がなく、部屋の壁に巻き尺を伸ばし、その前に立って計測しようとするが、靴べらを頭の上に乗せるなど、コミカルだ。

 「イベントやバレー教室で必ず子供に身長を聞かれるんです。『どれくらいあるんですか?』『2メートルですか?』と聞かれるので、身長を言うと子供は大ウケします。自分を表すものとして、身長のことがいちばん強いかなと思いました」

 1人語りが面白い。「解体新書」2回目は自身の氏名をテーマにしているが、家系図のことを「血統書?」「トーナメント表みたいなやつ」などと表現。久光製薬に姉の狩野美雪さんが先に所属していたため、ユニホームのローマ字表記を「M・KANO」にしようとしたが、姉も名前のローマ字は「M」のため、結局、「MAIKO」だったというエピソードを語るボケ具合が絶妙だ。

 「ツッコミもできますけど、ボケたがりですね。でも、私のボケは昭和生まれの人じゃないと合わないんじゃないかという不安はあります。昔あったことをよく覚えていて、チョイスする言葉が昭和なんです」

 楽しいトークで、YouTubeにはマッチしているが、笑いの要素が強いため、クールビューティーになじんでいた旧来のファンは違和感を覚えるかもしれない。

 「『選手の時とイメージが違いますが、今の方が好きです』と言ってくださる人もいれば、少数派ですけれど『こんなことはしないでください』と言う人もいます。でも、選手の時からこんな感じだったんです」

 元アーティスティックスイミング日本代表の青木愛とのコラボもある。2人でファッションコーディネートバトルをするが、店に自身の足のサイズ(27センチ)に合う靴がなく、素足で登場。「ビーチバレーを観戦するイメージ」と弁明して笑いを誘う。

 「今後もコラボを考えています。誰かと話した方が自分の良さが出る気がします。あとは何かにチャレンジする企画も考えています。全くできないサーフィンをやってみたい。サーフボードを持つと『板が小っちゃく見える。これ、ショート?』みたいな感じになる(笑い)」

 これからどれだけ面白さを発揮するのか。楽しみは尽きないが、引退から約2年が経過した今、将来の方向性をどう考えているのだろう。

 「どうしていきたいんですかね、私?(笑い)。こうなりたい!というのが今はないんです。いろんなことをやるのが好きなので、その中で、もっとやりたいと思うものが見つかればいいと思います」

 そのおおらかさは、今の厳しい時代の一服の清涼剤に感じる。まだ30代前半。キャンバスは白く、描ける絵は無限にある、と思わせる人物だ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。

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