サザン デビュー記念日に無観客配信ライブ、50万人視聴 医療従事者に感謝、スタッフ元気づける

[ 2020年6月25日 22:18 ]

横浜アリーナで無観客配信ライブを行ったサザンオールスターズ。「東京VICTORY」の時には聖火台も登場
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 ロックバンド「サザンオールスターズ」がデビュー記念日の25日、横浜アリーナで無観客配信ライブを行った。ファンやスタッフ、医療従事者への感謝を伝えることをテーマとしたライブ。午後8時から有料配信し、主催者の推計では約50万人が視聴した。

 ライブ会場に足を踏み入れたかのように、開演前の「影アナ」からスタートした映像。女性がアナウンスした内容は「うちわや扇子を頭の上に乗せる行為は、今日はいいでしょう。周りの方の迷惑になりません」「ご飯を食べながらでも、お酒を飲みながらでも楽しめます」と、ユニークな違った内容。そして、サザンの5人が、サポートメンバーとともにステージに登場した。

 ボーカル桑田佳祐(64)は「スタンド~!アリーナ~!そして、画面越しのみなさま~!」と声を張り上げた。「みんなやスタッフのおかげで、このたび、デビュー42周年を迎えました。ありがとうございます」とあいさつ。「本日はコロナの第2波、3波に向けた治療や感染拡大防止のために働いてる医療関係者や役所の方に感謝と敬意を表して、横浜アリーナからライブをさせていただきます」と続けた。

 曲目はオールタイムベストとも言える内容。90年のアルバム「SOUTHERN ALL STARS」に収録された「YOU」でスタート。「希望の轍」「真夏の果実」といったおなじみの人気曲から、「マンピーのG★SPOT」など突き抜けたように盛り上がる曲まで、バラードあり、エロありとバラエティーに富んだ内容。2時間で22曲を披露した。

 無観客ならではの演出をふんだんに使った。まずは充実のサウンドエフェクト。過去のライブでのファンの声を使い、1曲ごとに歓声や拍手を入れた。4曲目の前に桑田が「では最後の曲です」と言うと、ブーイングの声も流れた。サザンがただ黙々とライブをする形には見せなかった。カメラ位置も普段とは異なる。ステージ上空を駆け抜けるカメラや、客席に設置したカメラで、普段は見ることの出来ない新鮮な映像を届けた。

 コロナ禍で迎えた42回目のデビュー日。このライブの開催を決めたきっかけのひとつは、サザンの周りにもコロナの影響で仕事を失った多数のライブスタッフがいるからだった。普段はサザンを支えるスタッフを、今回は元気づけたい。そんなサザンの思いに応えるように、「東京VICTORY」の披露時には、会場中のスタッフがメンバーとともに拳を突き上げていた。

 サザンの願いは、このスタッフとともに再びファンの前でライブをやること。桑田は「横浜アリーナはやっぱりファンのみなさんがいないと寂しいです!」と本心を語った。本編最後の19曲目、42年前に発売したデビュー曲「勝手にシンドバッド」に願いを託した。歌詞を替えて「いつになればコロナが収束するのかな!?お互いにそれまでは グッと我慢の暮らし続けましょう!!」と呼びかけた。

 視聴権となる有料チケット(税込み3600円)は約17万人が購入。テレビやタブレットで複数人が見ることができるため、主催者側は視聴者を約50万人と推計した。収益の一部は寄付され、コロナ対応にあたる医療機関に役立てられる。

 「やってみないとどうなるか分からない」というメンバーやスタッフの心配もどこ吹く風。ツイッターでは一時「#サザン特別ライブ」がトレンド1位になるなど大盛り上がり。メンバーもスタッフも終始笑顔。久々にライブが出来たことへのうれしさが現れていた。それは自宅で、職場で、さまざまな環境でライブを見届けたファンも同じだったに違いない。

<セットリスト>
1 YOU
2 ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)
3 希望の轍
4 Big Star Blues(ビッグスターの悲劇) 
5 フリフリ ’65
6 朝方ムーンライト
7 タバコ・ロードにセクシーばあちゃん
8 海
9 夕陽に別れを告げて
10 シャ・ラ・ラ
11 天井棧敷の怪人
12 愛と欲望の日々
13 Bye Bye My Love(U are the one)
14 真夏の果実
15 東京VICTORY
16 匂艶 THE NIGHT CLUB
17 エロティカ・セブン EROTICA SEVEN
18 マンピーのG★SPOT
19 勝手にシンドバッド
~アンコール~
20 太陽は罪な奴
21 ロックンロール・スーパーマン~Rock’n Roll Superman~
22 みんなのうた

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2020年6月25日のニュース