沢尻被告 冷蔵庫にLSD、日常生活の一部に…夜友との「偽りの友情」に深い後悔

[ 2020年2月1日 05:30 ]

沢尻エリカ被告初公判 ( 2020年1月31日 )

沢尻被告を乗せたと思われる車両と報道陣のバイク(撮影・郡司 修)
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 沢尻被告の日常生活に違法薬物が当たり前に存在していたことが、法廷で浮き彫りになった。証拠調べで、検察側が自宅から押収された薬物の写真を提示。写っていたのは、アクセサリーケースに入ったMDMA、冷蔵庫で保管された液体のLSDや、お守りの袋に入ったLSDを染み込ませた紙片だった。「あなたのものですか?」と聞かれ、「はい」と答えた。

 いつでもやめられると思っていた違法薬物。だが10年以上も手を染めた結果、「気がつけば薬物を制するよりも、制される状態になっていた」。逮捕されるまで、気づくことができなかったことを悔やんだ。

 違法薬物にどっぷりハマるきっかけとなったのは、クラブで遊ぶ仲間の「夜友」だった。沢尻被告は「心配してくれた人の声に耳を傾けることなく、現実逃避した世界で薬物がつないだ偽りの友情にとらわれた」と後悔してもしきれない思いを口にした。

 冒頭陳述によると、沢尻被告は元交際相手の男性から違法薬物を入手していた。この男性とは2011年から交際していたが、2人がよく遊んでいたのがクラブ。ここで多くの遊び仲間ができ、沢尻被告が特に親しかったのはクラブイベントのオーガナイザー(主催者)として知られる夫妻。こうした友人は沢尻被告の仕事関係者らに「夜友」と呼ばれていた。

 証人として出廷した主治医は、沢尻被告が幻覚剤(MDMAやLSDといった違法薬物)を使っていた場面を「クラブで騒ぐ時」と証言。夜友とクラブで時間をともにすることで、違法薬物と接しやすい環境がつくられていったことは否めない。

 交友関係について「見直したい」と語り、夜友との決別を誓った。既に携帯電話を解約し、SNSのアカウントも削除。電話の端末は弁護士に預け、夜友と連絡が取れない状況をつくった。

 夜友と過ごした時期を振り返り「非生産的な日々からは何も生まれず、全てが幻でした。結果、全てが害でした」と厳しい言葉を並べた。

 ▽LSD 幻覚剤の一つ。日本では70年に麻薬指定された。錠剤もあるが、液体が一般的。ごく少量で強烈な幻覚を引き起こし、1滴を1センチ四方の紙片や角砂糖に垂らして経口されるケースが多い。視覚がゆがむことから「曲がる系」と言われ、元乱用者は「MDMAの後にLSDを使うのがクラブドラッグの王道パターン」と話す。液体は空気や日光で分解されやすく、冷蔵庫での保存が適している。

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2020年2月1日のニュース