神野美伽 「ブギの女王」笠置シヅ子さん演じる「桁違いなスケール伝えたい」

[ 2019年11月23日 05:00 ]

音楽劇「SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE」で笠置シズ子さんを演じる神野美伽
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 「東京ブギウギ」「買物ブギー」などのヒット曲で「ブギの女王」と呼ばれた昭和のスター歌手・笠置シヅ子さんの半生を描いた音楽劇「SIZUKO!QUEEN OF BOOGIE~ハイヒールとつけまつげ~」(11月23日~12月1日、クールジャパンパーク大阪TTホール)の主役を演歌歌手・神野美伽(54)が演じる。脚本はマキノノゾミ(60)、演出は白井晃(62)、豊田めぐみ。

 「笠置さんは尊敬する表現者です。自分で決断するところ、自分の人生を自分で歩く。おこがましいけど、そういうところが似てるかもしれません」

 大先輩・笠置さんと重なる部分を聞かれた神野は答えた。日本人離れした歌唱力とキャラクターで、戦前戦後の芸能界に君臨した笠置さん。神野も数々の音楽賞の受賞歴がある実力派として名高い。5年前に「笠置さんをやりませんか」と打診された時、「なんで、笠置さん?」「私でいいの?」と思ったそうだ。神野がデビューした翌85年に笠置さんは他界。接点こそないが、音楽性、芝居、ダンスなど、勉強する部分は多い。「神野さんじゃないとダメ、と言われて凄くうれしかった」と喜んで引き受けた。

 「今の時代、皆が不安を抱え、諦めることが当たり前の日本の政治であり、経済。それを突き詰めていく時間もない。皆の情熱が失われている。笠置さんのようにガムシャラに生きるというのを。戦前には日本から、戦後もアメリカの圧力を受けながら、あの時代の笠置さんの桁違いなスケールを1人でも多くの方に伝えたい」と舞台への思いを語った。

 今回の音楽劇のために笠置さんに関する文献、作曲家・服部良一さんの本を読破し、また、残されている笠置さんに関する音源はすべて網羅。徹底的に研究した。自身は5年前からアメリカへ渡り、ニューヨークで演歌を広めようと活動し、また、ジャズを歌い、日本でロックフェスに参加したりと自らの幅をどんどん広げている。

 今舞台は芝居あり、ダンスもあり、19曲を熱唱する。これまで世に出ていなかった「買物ブギー」の続きも初めて歌う。「今の私もアクティブに生きてます。おこがましいけど、やっぱり似てるかも」。神野はまた、笠置さんと自分を重ね、前を向いた。

 ◆神野 美伽(しんの・みか)1965年(昭40)8月30日、大阪府貝塚市生まれの54歳。相愛高卒業後、84年に「カモメお前なら」でデビュー。85年に「男船」で日本レコード大賞金賞受賞などを受賞。87年に「浪花そだち」、03年に「浮雲ふたり」でNHK紅白歌合戦に出場。趣味は芝居・歌舞伎鑑賞など。少林寺拳法2段、書道2段、1級船舶操縦免許、ハングル検定3級など資格、特技は多才。現在は中国語の勉強中。

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2019年11月23日のニュース