「クレイジージャーニー」やらせ 失敗場面も魅力なのに、事実ねじ曲げる愚かさ

[ 2019年9月12日 08:00 ]

TBS「クレイジージャーニー」 やらせ演出発覚で休止

TBS本社の全景
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 【記者の目】TBSが視聴者を裏切るケースが続いた。「消えた天才」で過剰な映像加工があったことが5日に明らかになったばかり。局内には「ほかにもあるのではないか」という危機感さえ生まれている。

 「クレイジージャーニー」は個性あふれる冒険家の旅に密着し、起こったことをそのまま伝えていく番組。想定通りに旅が進むこともあれば、失敗して大ゴケすることもある。その悲喜こもごもを含めた「何が起こるか分からない」という部分が見どころだったのに、結果にこだわって事実をねじ曲げた。視聴者が求める映像と制作陣が見せたい映像が乖離(かいり)してはいないだろうか。

 動画配信サービスなどの人気に押され、テレビの立場は弱くなりつつある。だが「信頼」という点においてはまだテレビが強いと思っている。フェイクニュースなどネット上には本当に信じていいのか分からない情報があふれている。一方で「テレビだから正しいだろう」と信じている視聴者も多いはず。こうした裏切りが続けば、テレビは強みを失う。(伊藤 尚平)

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