羽生九段「努力重ねる」藤井七段「歴史を受け継ぐ」24年めどに将棋会館移転

[ 2019年6月9日 05:30 ]

AbemaTVの将棋番組の収録後、羽生善治九段(左)の公式戦新記録通算1434勝を祝福し花束を渡す藤井聡太七段
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 将棋の羽生善治九段(48)が8日、都内で行われたAbemaTVの番組収録に藤井聡太七段(16)とともに参加した。前日7日に日本将棋連盟の通常総会で決まった2024年をめどとする将棋会館(東京都渋谷区)の移転について、期待と希望を語った。

 移転先は現会館の最寄り駅JR千駄ケ谷駅近くのビルで、不動産大手ヒューリックが所有。建て替えが予定されており、新築ビルの一部を取得する方向で交渉が進められる。羽生は、新たな歴史がつくられる舞台について「将棋ファンに親しみを持ってもらえる場所であってほしい」と期待。「そうなるように努力を重ねないと」との決意も口にした。

 羽生は棋界の第一人者として君臨する一方で、昨年6月から会館建設準備委員会の委員長として準備に奔走。「将棋の街」として浸透した千駄ケ谷地区での移転案をまとめた。総会では自ら説明役を務め質疑にも丁寧に応じ、移転先を23区内で公募する案との議決で賛成多数を得た。

 4日に歴代最多の通算1434勝目を挙げるなど、注目度の高い対局と並行して大役を務めた。「総会で答申を出すまでが大きな役割。それが終わりホッと一息したところ」と安堵(あんど)した様子だった。

 現在の会館は築40年を過ぎて老朽化が目立つほか、将棋人気の高まりで土、日の道場は階段まで人があふれ、入場制限されるなど手狭になっていた。法律上、現状の規模のままの建て替えは難しく、移転を軸に検討が進められた。都内一等地であることから、移転費用については総会で心配する声もあった。特別会計の積立金や現会館の土地・建物の売却費を充てるほか、連盟幹部は「ファンに何らかの協力をお願いすることも考えていく」と話している。

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2019年6月9日のニュース