窪田正孝 月9「ラジハ」に感慨と自負 転機は三池崇史監督 ケガの悔しさ糧に令和も「仕事に突進」

[ 2019年5月13日 10:00 ]

窪田正孝インタビュー(下)

月9「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」の主演を務める窪田正孝(C)フジテレビ
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 俳優の窪田正孝(30)がフジテレビ「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」(月曜後9・00)で看板枠“月9”に初主演。17歳の時の俳優デビュー作を思い返し「『頑張ってきてよかった』と思わせてくれる作品になりました」と自身の歩みを自負した。2008年の三池崇史監督(58)との出会いが転機となり、成長を遂げて約10年。NHK連続テレビ小説「エール」の主演を控える来年は「大ブレイクします」と占われた。今年3月の主演舞台中のケガを糧に「健康面に気を付けながら、仕事に突進していきたい」と新時代への抱負を語った。

 原作は青年誌「グランドジャンプ」(集英社)で連載中の同名コミック(原作・横幕智裕、漫画・モリタイシ)。主人公の放射線技師・五十嵐唯織(窪田)らが患者の“視えない病”を見つけ出し、命を救う姿を描く。脚本は同局「好きな人がいること」「刑事ゆがみ」「グッド・ドクター」などの大北はるか氏。演出は同局「29歳のクリスマス」「王様のレストラン」「ショムニ」「HERO」や映画「マスカレード・ホテル」など数々のヒット作を生んだ同局・鈴木雅之監督ら。

 窪田は06年4月、17歳の時に同局の深夜ドラマ『チェケラッチョ!! in TOKYO」で初主演。「もう12~13年前なんですが、今回(台場のフジテレビから近い)湾岸スタジオで撮影して、その時のスタッフさんに久しぶりにお会いしたり。『チェケラッチョ~』の7話は約丸1日、フジテレビの中で撮影したんですが、当時はまだ湾スタがなくて、ちょうど鉄骨で出来上がっているぐらい。朝方に『あそこに湾スタができるんだよ』みたいな話をしたことを覚えています」と回想。「当時の自分に『あんた“月9”の主役できたよ』と言ってやりたいと思います。今回の『ラジハ』は『頑張ってきてよかった』と思わせてくれる作品になりました」と感慨深げに語った。

 もともと芸能界に興味はなかったが、母親が現在の事務所のオーディションに応募。俳優デビューから2年後の08年、テレビ東京「ケータイ捜査官7」に主演。三池崇史監督(58)との出会いが大きな転機となった。

 「本当にその時の自分をぶん殴ってやりたいんですが、芝居のことも全然分からないのに調子に乗っていました」。1年間の特撮ドラマで三池監督に鍛えられ、その半年後、役所広司(63)主演、三池監督の映画「十三人の刺客」(10年)のオーディションに合格。暴君の明石藩主・松平斉韶(稲垣吾郎)を暗殺すべく集められた刺客を描く時代劇で、窪田は刺客の1人、小倉庄次郎を演じた。

 「役所さんをはじめ、松方弘樹さん、稲垣さん、大先輩たちがいらっしゃる中で、『ケータイ捜査官7』で1年間もまれた姿を三池監督に絶対届けたいという思いがありました。アクションも全部自分で体当たりでやらせていただいて。その時の思いが今につながっているのかもしれません」。バイオレンス描写で知られる三池監督がラブストーリーに初挑戦した映画「初恋」(20年公開予定)に主演し、約10年ぶりのタッグ。こちらも期待される。

 「十三人の刺客」の後、14年のNHK連続テレビ小説「花子とアン」でブレイク。15年には主演に抜擢された日本テレビ「デスノート」をヒットに導き、その後、ドラマ「僕たちがやりました」「アンナチュラル」や映画「東京喰種トーキョーグール」「犬猿」など数々の話題作に出演。若手実力派の仲間入りを果たした。

 番宣のため4月1日、特番「FNS番組対抗 オールスター春の祭典」に生出演。占い師のゲッターズ飯田(44)から「2020年から、さらにブレイクします」などと運勢を鑑定された。来年20年は前期の朝ドラ「エール」に主演。全国高等学校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」などで知られる作曲家の古関裕而(こせき・ゆうじ)さんをモデルにした主人公を演じ、6年ぶりの朝ドラ男性主演に挑む。以前から「目標はあまりない」と語っているが、最後に今後の展望を尋ねた。

 「ゲッターズさんに本を送っていただいたんですが、全部ドンピシャに当たっていて。一番ビックリしたのが『今年、膝に気を付けてください』と書いてあったんです」。窪田は今年3月、主演舞台「唐版 風の又三郎」の大阪公演で右膝の半月板を損傷、演出を一部変更した。「ケガをすると、現場が止まってしまいます。それがすごく嫌で悔しいということをその舞台で痛感したので、やっぱり健康面に気を付けながら、仕事に突進していきたいというのが目標。『腰に注意してください』『体のケアをしてください』とも書いてあったので、今まで行ったことのなかったジムや整体に通い始めました。現場でもバランスボールに乗ったりして。体のケアを持続できるようにしていきたいのが今一番の目標です」と明かした。

 デビュー当初はオーディションに落ちることも多かった苦労人。「仕事があるのは本当にありがたいので、変わらず頑張っていきたい。ずっと稼働していたいという思いはあります」。“月9”が終われば、初秋に朝ドラ「エール」がクランクイン予定。「令和」の新時代も突っ走り、さらに大きく羽ばたく。

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2019年5月13日のニュース