“王キラー”安田猛氏 「余命1年」のがん闘病…王さんの言葉「気力で乗り切って」が支えに 

[ 2019年5月10日 22:05 ]

安田猛さん
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 元ヤクルトの左腕エースで“王キラー”と言われた安田猛さん(72)が10日放送のTBS「爆報!THEフライデー」(金曜後19:00)に出演、“余命1年”と宣告された胃がんとの闘病生活を打ち明けつつ、「気力で絶対に負けない」と語った。かつての“戦友”王貞治さん(78)の言葉が、死の淵にいた安田さんを支えていたことも明かされた。

 プロ野球ヤクルトに入団し、1972年に新人王と最優秀防御率を獲得した安田さん。左のエースとして活躍し、78年の球団初優勝に貢献した。いしいひさいちのマンガ「がんばれ!!タブチくん!!」には安田さんをモデルにしたキャラクターが登場している。

 安田さんの現役当時は巨人の4番・王さんの全盛期でもあった。安田さんは世界のホームラン王に左腕からのクセ球で真っ向勝負を挑み、“王キラー”とも呼ばれた。王さんの引退を追いかけるように安田さんも翌年(81年)、引退した。

 そんな安田さんを病魔が襲った。ステージ4のスキルス性胃がん。安田さんが主治医に「どのくらい生きられる?」と単刀直入に聞くと、主治医の答えは「平均は12か月か13か月」だった。

 妻と二人暮らしの自宅を番組スタッフが訪れると、「ショックというか…言葉にならなかった」と宏子夫人。安田さんは抗がん剤治療のため、6週間に1度、入退院を繰り返しているが、ある日、王さんからの「贈り物」が届いた。

 安田さんが闘病していることを、人づてに知った王さんは「気力で乗り切ってください」と綴った色紙を安田さんに届けたのだ。

 「うれしかったですね。(あこがれだった王さんとの)初対戦したときと同じような気持ち」と安田さんはいい、宏子夫人は「絶対、我が家の家宝にするんだと言ってました」と振り返る。

 今年1月、診察を受けると、「がんは全然悪くなっていない。進行がストップしている」と言われたという。安田さんは「余命1年と言われ、3年目に入った」と笑顔さえ見せた。
 
 スタジオに出演していた王さんの二女、王理恵さん(49)は「父と一緒に戦った仲間、戦友。また同じ病気(胃がん)、運命的な絆を感じる。頑張っていただきたい」と語った。

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