辻村深月さん「一生作家で居続けたい」 周囲に支えられ子育てと執筆両立

[ 2019年5月10日 17:08 ]

ベストマザー賞を受けた辻村深月さん
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 12日の母の日を前に、憧れや目標となるママを選ぶ「第12回ベストマザー賞2019」が10日、都内で発表され、文芸部門は直木賞作家の辻村深月さん(39)が受賞した。

 2012年に「鍵のない夢を見る」で第147回直木賞を受けた辻村さんは2児の母。7歳の長男と、3歳の長女を育てながら執筆活動を続ける。2018年の「かがみの孤城」で第15回本屋大賞を受賞。ドラえもんファンとしても知られ、今年3月に公開された映画「ドラえもん のび太の月面探査記」の脚本を書き下ろした。ベストマザーに推す投票者からは、「育児と仕事の両立について話している記事を読んで感心しました」などの声が寄せられた。

 「私がベストマザー?と戸惑いました。ずっと家庭の中でともに頑張っている仲間の代表して投票してくれたのかな」と笑顔。育児については、「保育園の先生と一緒に子供を育てている感じ。私が働く時間は、彼ら(一男一女)がつくってくれている感じです」と明かした。

 家事をこなしながら同時に執筆するのは困難で、子供が帰宅したら仕事は「やらない。翌日まで我慢です」と言い切る。「翌日まで1日熟成されて文章ができたらいい。1日経って忘れているようなら、それぐらいの(程度の)アイデアだったのかと思えばいい」と前向きだ。

 今回の受賞もまた「励みになった」そうで、「今度は子どもたちにとってのベストマザーにと、そんな約束になるような感じです」とあいさつ。「昭和に生まれ、平成、令和と小説で三つの時代を書けるのは幸せ。一生作家で居続けることが目標です」と誓った。

 令和最初のベストマザー賞は、芸能部門から女優の吉瀬美智子(44)、文化部門からモデルの梨花(45)、スポーツ界から2012年ロンドン五輪柔道女子57キロ級金メダリストで2月に現役を引退した松本薫さん(31)、経済部門からファッションエディターの小脇美里さん(35)もそれぞれ選出された。

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2019年5月10日のニュース