片岡仁左衛門 孫・千之助へ試練の大役「30キロしか持てない者に60キロを…」

[ 2018年11月11日 20:29 ]

京都南座の「吉例顔見世興行」の合同会見に出席した(左から)片岡千之助、片岡仁左衛門、片岡孝太郎
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 2018年度の文化功労者に選出された片岡仁左衛門(74)と、息子の片岡孝太郎(50)、孫の片岡千之助(18)が11日、京都市内で「吉例顔見世興行」の合同記者会に出席。15代目仁左衛門は親子孫3世代での共演に「(孫が)ちゃんとした役。楽しみでもあり、心配」。孝太郎も「大役を息子が頂いて、楽しみでもあり、不安もある」と心中を明かした。

 今月1日に新しく開場した「京都四条南座」で開かれる京の年中行事「吉例顔見世興行」の12月公演(12月1〜26日)は仁左衛門、孝太郎が11月公演に続く出演で、千之助は南座初出演。夜の部の「義経千本桜」では親子孫3世代の共演が実現する。千之助によれば「3人でやるのは10年ぶり」で、今回は子役でなく大役。千之助が祖父・仁左衛門から小金吾役をやるように告げられた時には「信じられない気がした」そうで「光栄です。何もかもすべてを吸収できるよう頑張りたい」と意欲を見せた。

 千之助演じる小金吾は「小金吾討死」で壮絶な立ち回りシーンがあり、難しい役。仁左衛門は「30キロしか持てない者に60キロを挑戦させて。今回がダメだとしても、次の30キロは楽になる」と孫へあえて厳しい大役という試練を与える。現在、稽古の真っ最中。孝太郎は「親バカですが、思ってたよりマシ。稽古でどう身につけて、南座へ帰ってくるか期待してます」と語った。

 「子供の頃から楽屋で遊び、舞台で演じる祖父、父を見て、私の好きなウルトラマンのようにヒーローみたいに感じていた。それで憧れました」と歌舞伎役者の道を進み始めた千之助。「お客様から、役者から必要とされる役者になれ」と祖父から父へ、そして父から孫へと歌舞伎役者としての心得が伝えられた。仁左衛門の名跡を継ぎたいかとの質問には「名前を頂ければ光栄。いろいろな役者さんの方々に必要とされる役者になれれば」。18歳の若武者が前を見据えた。

 南座で開かれる「吉例顔見世興行」12月公演は12月1日が初日で26日が千穐楽。昼の部は「菅原伝授手習鑑」「鳥辺山心中」「ぢいさんばあさん」「恋飛脚大和往来」、夜の部では「義経千本桜」の他に「面かぶり」「弁天娘女男白波」「三社祭」が演じられる。

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2018年11月11日のニュース