樹木希林さん葬儀 家族で迎えた最期の時 春に余命宣告、毎晩「裕也さんに会いたい」

[ 2018年9月30日 10:48 ]

<樹木希林さん葬儀>祭壇をバックに会見する本木雅弘(撮影・郡司 修)
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 15日に75歳で亡くなった女優の樹木希林(きき・きりん、本名内田啓子=うちだ・けいこ)さんの葬儀が30日、東京都港区の光林寺で営まれる。喪主は夫でロック歌手の内田裕也(78)が務める。開式を前に、長女で女優の内田也哉子(42)の夫・本木雅弘(52)が報道陣の取材に応じた。

 本木は「家族として落ち着いて振り返る暇、心に余裕がない状態ですが、いろいろな形で取り上げてくださって、私達が知らない樹木さんのことを知って、まだ生きているような気分でいます」と現在の心境を吐露。本木は8月30日にイベントに出演した際、樹木さんが大腿骨を骨折し、一時危篤状態であったことを明かした。「正直、一進一退を繰り返しながらの歩みだった。実は春に余命宣告はされていて、私達家族もそのことと向き合いながら、樹木さんご自分の哲学というか、自然に生きていきたいというのがあったので、それを受け止めるのに、私達家族も受け止めるのに時間がかかった」と振り返った。

 余命宣告は春頃。「今年1年持つかもたないか、場合によっては2、3か月と」というものだった。「(樹木さんは)ある意味、清々しく語っておられて、はっきりしたから、いろいろ準備を進めるね!と言っていました」としみじみ。葬儀の場となった光琳寺についても「私が好きな光林寺で」と樹木さんの遺志があったとし、「私達も下見に来て、春先に。内容はとにかく残されたものだがら、勝手にやってと。私が先か、裕也が先かわからないわよ!とあっけらかんとしていました」と話した。

 看護をする看護師から「(樹木さんが)毎晩、裕也さんに会いたいとおっしゃってますよ。もしよかったら、お会いになったほうがいいんじゃないですか?」と言われて、それには家族で驚いたといい、「(樹木さんは)お家に帰ってから、暇になるから、そしたらみんなに会うと言ってた」という。亡くなる直前、樹木さんは「私、帰る!」と切り出したそうです。自宅に24時間介護を整え、無事に帰宅できた。その夜の樹木さんは孫が学校の友人と撮影した「おかえりばーば」って言っているビデオを嬉しそうに眺めていたという。その夜に急変した。

 家族で見守り、裕也に電話をつないだ。電話口で裕也は「おい、しっかりしろ!」と声をかけていた。「意識と体の状態が離脱する状態だったんですけど、やはり聞こえているようで。そういう反応があるというのを(裕也に)実況しながら、という感じ。そういうしているうちに、感覚がなくなっていって…」と状況を説明した。

 本木は「とても本当に婿として、大事にしていただいた。それを直接最後に言えて、安心している。常に何かをもたらせてくれる人だった」と感謝した。

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2018年9月30日のニュース