舘ひろし 健さん以来の「モントリオール映画祭」最優秀男優賞

[ 2018年9月5日 05:30 ]

モントリオール世界映画祭で最優秀男優賞受賞を受賞し、喜びの会見をする舘ひろし
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 カナダで開催されていた第42回モントリオール世界映画祭で3日(日本時間4日)、ワールドコンペティション部門に出品されていた「終わった人」主演の舘ひろし(68)が最優秀男優賞を受賞した。同賞は1999年「鉄道員(ぽっぽや)」の高倉健さん以来、19年ぶり2人目の快挙。舘はこの日、都内で喜びの会見を開いた。

 「自分の芝居を信じていないし、いまだに迷いながら芝居をしている。43年俳優をやっていて一度も賞を頂けたことがないから、本当なのか、どうなっているんだというのが正直なところ」

 “想定外”の受賞に自嘲気味に喜びをかみしめた舘。吉報は事務所スタッフから連絡があった。自身の定期健診だったことを失念しており「病院に行くことのついでのように、モントリオールで何か獲ったみたいですよ、と言われた」と照れながら明かした。

 だが直後に渡哲也(76)から「良かったな。おめでとう」と祝福の電話。「いつも“これ以上芝居をうまくなるな”と言われているので、怒られるかと思ったのでうれしかった。今の自分があるのは渡のおかげ。ただ一人、“ひろし、おまえには華がある”と言ってくれたから、それに支えられて俳優を続けてこられた」と感謝した。「石原裕次郎さんも、映画の賞ということで喜んでくれると思う。今度、トロフィーを持って見せに行きます」と墓前に報告するとした。

 健さんに続く戴冠。「それは駄目だって。高倉さんは大スターだから、一緒にしないで」と照れながらも「同じ賞を頂けたのは凄く光栄」としみじみ語った。

 「終わった人」では持ち前のダンディーなイメージを封印し、定年後の生き方が見いだせずに右往左往する“ダメ親父”に挑戦。今月8日から1週間、東京・丸の内TOEIでの凱旋上映が決定。「“終わった人”は、まだ終わっていません」と親父ギャグをさく裂させた。

 《グランプリは3回》モントリオール世界映画祭は日本作品と縁が深い。1983年に佐藤純彌監督の日中合作「未完の対局」、2006年に奥田瑛二監督の「長い散歩」、08年に滝田洋二郎監督の「おくりびと」が最優秀作品賞(グランプリ)を獲得。「眠る男」(96年)、「わが母の記」(11年)、「ふしぎな岬の物語」(14年)、そして昨年も「幼な子われらに生まれ」が審査員特別グランプリを贈られている。俳優部門では83年に「天城越え」で田中裕子(63)が最優秀女優賞、99年に「鉄道員」で高倉健さんが最優秀男優賞、10年に「悪人」で深津絵里(45)が最優秀女優賞に輝いている。

 ▽モントリオール世界映画祭 8月下旬から9月初めにかけてカナダのモントリオール市で開かれる国際映画製作者連盟公認の国際映画祭。1977年に産声を上げ、ほぼ同時期に開催されるトロント国際映画祭と並んで北米最大級の規模を誇る。毎年350本以上の作品が上映される。

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