沢村一樹「西郷どん」で見せた師弟愛と郷土愛 “隆盛の師”赤山靱負役を熱演

[ 2018年1月27日 08:00 ]

「西郷どん」で西郷隆盛、大久保利通らが師と仰いだ赤山靱負を演じる沢村一樹(C)NHK
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 俳優の沢村一樹(50)がNHK大河「西郷どん」(日曜後8・00)で西郷隆盛、大久保利通らが師と仰いだ薩摩藩の重臣・赤山靱負(あかやま・ゆきえ)を熱演している。カリスマ島津斉彬を次期藩主にと尽力するドラマ序盤のキーマンだが、藩のお家騒動に巻き込まれ、無念の最期を迎える。鹿児島出身の沢村がインタビューに応じ、薩摩の若武者を導いた赤山への思いや郷土愛について語った。

 「利家とまつ〜加賀百万石物語〜」「篤姫」に続き3度目の大河。「篤姫」と同じ地元作品出演に「ずっと西郷どんに出たいと言っていたので、望みが叶ったことが嬉しい。鹿児島から始まるドラマに携われてよかった」と微笑む。演じる赤山について「鹿児島は“男はこうあるべきだ”と厳しく教える場所だったと思いますが、その中でも頭の柔らかい、気さくな考えを持った人だったと思う。赤山さんが西郷や大久保に慕われたのは、若者の個性を否定しなかったから。個性という言葉は当時なかったと思いますが、個性を否定せずに認めた人だったのではないか」と自身の解釈を語った。

 主人公・吉之助(隆盛)役の鈴木亮平(34)とは劇中のような“師弟関係”に。クランクイン前に西郷ゆかりの地を旅していた鈴木を鹿児島に招待。地元の友人を紹介し、食事をともにしたという。「生の鹿児島弁を聞いてもらいたかった。鈴木くんにとって良い機会になるかなと思いまして。美人じゃないけどカワイイ子のことを“おかしもぜ”というのですが、鈴木くんはアクセントで何かを掴んだのか、何回も口に出して練習していました(笑)」と秘話を明かしながら「彼は本当に努力家。鹿児島での暑いロケ中も、暑さに負けない熱演をして。一言も愚痴をこぼさない姿を見て“この1年間、この大河は大丈夫だな”と感じました」と称えた。

 また、現場では年下のキャストを支えるだけでなく、自身が学ぶ立場にもなった。赤山が忠義を尽くした斉彬役の渡辺謙(58)からはたくさんの刺激を受けたという。「時代劇だと演技中の動きに制限をかけてしまうのですが、謙さんは全部取っ払ってしまうんです。“えっ、時代劇でこんな動きするの?”と驚いてしまう演技をされる。過去に大河の主役を務め、世界の場で活躍する謙さんですから、ぶれない自信がある。初めて一緒に芝居をさせてもらったのですが、やっぱり凄いです」と舌を巻いた。

 地元に住む、鹿児島人たちが持つ島津家や西郷隆盛への愛情は「少し独特かもしれない」という。「“島津には凄い殿様がいて、鹿児島には西郷さんという身分が高くないけど凄い人がいたんだ”と小さい頃から植え付けられているんです。父や母、おじいちゃん、おばあちゃんや周りの人が皆そう思っている。他県の人にはない感覚ですが、そういう感覚っていいなと。鹿児島でよかったなと思います」と語る。

 28日放送の第4話「新しき藩主」では、斉彬を藩主に担ごうとする者たちを、斉彬の父・斉興(鹿賀丈史)が一気に粛清する「お由羅騒動」が起こり、赤山に切腹の沙汰が下る。吉之助は赤山の無念の最期に立ち会うことに――。

 「この役をもらって本当に良かった。西郷どんがスタートするときに鹿児島出身の僕がこの役をやるというのは、きっと意味があることなのだろうなと思います。台本が今後どうなるか分かりませんが、時代劇の醍醐味を1年間楽しんでほしいですね」。沢村の郷土愛、作品愛は熱い。

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