TBS日曜劇場に異例若手監督 「小さな巨人」に流れる“福澤組”のDNA

[ 2017年4月15日 14:00 ]

TBS日曜劇場「小さな巨人」制作発表会に出席した(左から)芳根京子、安田顕、長谷川博己、岡田将生、春風亭昇太、香川照之
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 16日に始まるTBS日曜劇場「小さな巨人」(後9・00)で演出を担当するのは田中健太(37)、渡瀬暁彦(36)、池田克彦(35)の3氏。同局によると伝統ある同枠で30代トリオが演出を務めるのは極めて珍しいという。初回放送を前に、作品へ懸ける思いを田中監督に聞いた。

 田中監督が初めてディレクターを務めたのは同枠で大ヒットとなった「半沢直樹」。この時の福澤克雄監督、伊與田英徳プロデューサーコンビの元で「ルーズウェルト・ゲーム」、「流星ワゴン」、「下町ロケット」などを担当してきた。

 チーフディレクターを担当するのは今回が初めて。60年以上の歴史を持ち、上記の4番組を始め、「ビューティフルライフ」「GOOD LUCK!!」「JIN−仁ー」「砂の器」など名作を数多く生み出した枠だけに「意気に感じますし、プレッシャーも感じます」と心境を明かす。

 これまで同局のヒットメーカー・福澤氏の下で撮影術をたたき込まれてきた。“熱き男のドラマ”に関しては右に出る者がいない福澤氏と言えば、同じシーンを繰り返し、異なる角度から何度も撮る、どアップやカメラ目線のカットを使うなど独特の演出表現をすることで知られる。「ジャイさん(福澤氏)の下でサードディレクターとしてやってきて。そういう撮り方しか習ってきてないので、普通に撮れないというか」と田中監督にも“福澤組”のDNAが息づいている。

 今回監修という立場で作品に携わる福澤氏からかけられた言葉は「主人公を描け」。田中監督は「香坂真一郎(長谷川博己)という男のストーリーなので、その男を中心に描けば間違いはない」という信念を持って撮影に臨んでいる。

 組織内での中間管理職の苦労、出世争いの中で起きる足の引っ張り合い、裏切った上司をひっくり返す、など「半沢直樹」と通じる部分があるようにも見える。作り手として共通点を意識はしていないというが、「サラリーマン、中間管理職の人たちが見てスカッとできるという意味では通じるものがありますね」と話した。

 「小さな巨人」は警視庁と所轄の確執、警察内部の戦いを克明に描く警察エンターテインメントドラマ。16日の初回は25分拡大して放送される。

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2017年4月15日のニュース