「ひふみん」加藤一二三・九段引退 名人戦順位戦陥落確定で

[ 2017年1月20日 05:30 ]

 “神武以来の天才”と呼ばれ、長くトップ棋士として活躍してきた加藤一二三・九段(77)が19日、第75期名人戦順位戦のC級2組から陥落、規定により現役を引退することが決まった。残る公式戦を全て消化した時点で引退となる。

 加藤はこの日の対局はなかったが、競争相手が勝ったため陥落が確定。規定では、名人挑戦者を決める順位戦で最も下のクラスのC級2組から陥落すると、60歳で引退という年齢制限がある。順位戦残り2局のほか、竜王戦、棋王戦、王将戦などで勝ち進めば、今後も対局することができる。

 福岡県出身。1954年、当時の最年少記録となる14歳7カ月でプロ入りし、史上初めて中学生で棋士となった。この記録は昨年10月、藤井聡太四段が14歳2カ月でプロとなるまで破られなかった。12日の対局で故丸田祐三・九段の76歳11カ月を抜き、公式戦に出場した最高齢記録を77歳11日に更新した。

 引退決定を受け、加藤は「まだ今後の対局も残っており、全力投球する所存ですので、進退に関するコメントは最後の対局が終わってからに致したいと存じます」とのコメントを発表した。

 これまでタイトルは名人1期、十段(現在の竜王)3期、王位1期、棋王2期、王将1期の通算8期獲得した。通算勝利数は歴代3位の1323勝(1173敗)。バラエティー番組にも数多く出演し、ファンからは「ひふみん」の愛称で親しまれている。

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2017年1月20日のニュース