日曜夜のドラマに視聴者高評価 「そして、誰もいなくなった」がトップ

[ 2016年7月31日 13:00 ]

「そして、誰もいなくなった」主演を務める藤原竜也

 今夏スタートのドラマの第1話がすべて出そろった。視聴率では北川景子主演「家売るオンナ」(日本テレビ系)の12・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)がトップで、いずれも平均15%を超えることはなかった。イベント満載の夏休み、リオ五輪など、ドラマをじっくり見るという雰囲気ではない2016年の夏だが、視聴者に「次回も見たい」と思わせるテンションが持続できるかどうかが、成否のカギを握っている。

 視聴率も作品を語る上で指標となるが、視聴者がどうとらえているかも重要である。データニュース社(東京)が行っているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(調査対象全国3000人)によると、7月期ドラマ初回満足度トップは藤原竜也主演の「そして、誰もいなくなった」(日本テレビ系)で3・88(5段階評価)。高満足度の基準3・7を超え、昨年4月にスタートした同局系の日曜夜のドラマ枠で過去最高の滑り出しとなった。

 「藤原竜也の演技は安定感がある」(33歳男性)、「今までにない怖い物語。藤原竜也の演技が良い」(58歳男性)、「さすが藤原くん。このギリギリ感がたまらない」(23歳女性)といった藤原の真骨頂ともいえる“追い詰められる役柄”への評価が高かった。「ハラハラドキドキ目が離せなかった。ストーリーおもしろすぎ。」(55歳女性)、「展開が読めずドキドキ」(21歳女性)など、オリジナル脚本による先の話が簡単に予想できない展開が満足度を高めたようだ。

 満足度2位は、「相棒」や「警視庁捜査一課9係」など、テレビ朝日お家芸ともいえる刑事ドラマ枠に昨年新シリーズとして誕生した東山紀之主演「刑事7人」で3・71。「テレ朝の刑事ドラマが好き」(31歳男性)、「今回も期待を裏切らない面白さ」(44歳女性)など、前期同枠の「警視庁捜査一課9係」も初回3・83と高数値でスタートしており、こちらは安定感で支持を得ているようだ。

 3位はTBS日曜劇場・寺尾聰主演の「仰げば尊し」と、中島裕翔主演の「HOPE~期待ゼロの新入社員~」(フジテレビ)で3・61。前期同枠では、TBS「99・9-刑事専門弁護士-」が初回3・71、フジ「OUR HOUSE」3・13と差がついたが、今回は両作品とも「期待していた以上に面白かったしいいドラマだった」「なかなか良いドラマだと思う」と、奇をてらわず直球勝負のストーリーが視聴者に受け入れられたようで、今後安定してファンを獲得できそうな雰囲気が漂っている。

 「そして、誰もいなくなった」もそうだが、初回を見る限り日曜夜の枠がくしくも高い満足度となった。明日から仕事、という人が多く、前夜は家でゆっくりテレビでも…という流れも影響しているのかもしれない。各局とも春と秋の連ドラに力を注ぐ傾向にあるが、夏のドラマは暑かった記憶とともに、後々印象に残るドラマが多い。視聴率が高い低いを声高に論じる時代でもなくなった今、視聴者それぞれの中に残る作品を、リオ五輪の感動とともに心に刻みたいものである。

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2016年7月31日のニュース