池上彰氏 ノーベル平和賞少女のドキュメンタリーに感涙「グッときた」

[ 2015年10月11日 18:22 ]

映画「わたしはマララ」トークショーに登場した池上彰氏

 ジャーナリストで東京工業大学教授の池上彰氏(65)が11日、国連「国際ガールズ・デー」の都内で行われたイベントにゲスト出演。米ドキュメンタリー映画「わたしはマララ」(12月11日公開)の上映後にトークショーに参加した。

 タリバン政権下で、女子の教育の必要性を訴え史上最年少(17歳)でノーベル平和賞を受賞した少女マララ・ユスフザイの半生を追う映画で、池上氏は「構成が巧みで、最後の方は不覚にもグッときて涙が出てしまった。周りからすすり泣きの声が聞こえたのでホッとした」と照れ笑い。「女子の教育の大切さが身にしみて分かる。我々がいろいろと言うよりも、彼女の生き方が世界を変え人々を動かしているんだと教えられる」と絶賛した。

 自身も、日本人がパキスタンの少女たちに読み書きなどを教えるノンフォーマル教育の現場を取材したことがあり、「彼女たちは文字と絵の区別もつかず、初めて自分の名前が書けたことで自分の存在を知るんです。その喜びは人間を取り戻す第一歩になり、急激に世界が広がることにつながる」という。その上で、「日本の国際貢献として、私たちに何ができるかを考えることが大事」と女性が中心の聴衆に訴えた。

 その方法として「海外の人に日本のことを聞かれると意外に答えられない。まずは日本のことを説明できることが大事。もう一つは、日本の英語教育に問題があって話せないと言われるが、それは語るべきものを持っていないから。それを身に付けてほしい」と説諭。そして、「カンボジアなどではさまざまな分野で日本の援助でつくられたものがあり、日本がいい国だと分かってくれている。日本にいる者として誇りに思うし、もっと日本のファンを世界に広めてほしい。世界に行くと羽ばたける場所がある」と呼びかけた。

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2015年10月11日のニュース