自身は昨年結婚…仲間由紀恵 林芙美子の“孤独”消化に苦労

[ 2015年10月6日 11:55 ]

「放浪記」で林芙美子を演じる仲間由紀恵

 名作舞台「放浪記」が約6年4カ月ぶりに復活する。通算2017回にわたり故森光子さんが演じた反骨と異端の女流作家、林芙美子役を継ぐ仲間由紀恵(35)は、厳しい稽古の真っ最中だ。日比谷・シアタークリエで行われる東京公演の初日を14日に控え「いまだ完成しているものはない」と試行錯誤の連続だが、記者の心配に「安心してください」と“どや顔”。「とにかく強気な仲間」、その自信の根拠とは!?

 そんな仲間をもってしても、難しいのは「林芙美子」という人物像。なにせ異端児。幼少時から貧しさと隣り合わせで、努力してるつもりでもなかなか世に認められず。やるせなさを男で埋めながら、追われるように物を書いて老いていく。

 「晩年に作家として成功しても、心のマグマをたぎらせている。林さんの怒りは、自分に“世の理(ことわり)がハマっていない”ということ。でも言ってもどうしようもないという、怨念に近いもの」。巷間(こうかん)もてはやされる女優という人種が演じるには、深すぎる心の闇を抱えている。

 「放浪記は想像以上にパワフルで、思っている以上のパワーを出さないと、怒りや悲しみが表現できない。演出からも、一つ一つの感情の動きをもっと際立たせて、と言われます」

 最も消化に苦労しているのが晩年の林。人生後半に入り最愛の夫を得ながら、孤独に机に向かい疲れ果てた姿を見せる。言動は、つっけんどんで冷酷だ。仲間自身は昨年、俳優田中哲司(49)と結婚。「家庭は自分にとって大切な場所になりつつありますね」と話すだけに「正直、林さんの晩年っていうのはよくわからない」と話す。

 「私の中には今、ぼんやりとした林芙美子がいる。完成形は全然見えていないし、実は焦っているところがあります」

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