「スタンド・バイ・ミー」のベン・Ｅ・キング氏死去

米ソウル歌手のベン・Ｅ・キング氏（ＡＰ）

　名曲「スタンド・バイ・ミー」で世界的に知られる米ソウル歌手のベン・Ｅ・キング氏が４月３０日、７６歳で死去した。米メディアが１日伝えた。

　１９３８年、米南部ノースカロライナ州で生まれた。５８年に当時人気を誇った黒人コーラス・グループ「ドリフターズ」に加入。「ダンス・ウィズ・ミー」、「ラストダンスは私に」など数々のヒットを放った。６０年に脱退し、ソロ歌手に転向。６１年に「スタンド・バイ・ミー」を大ヒットさせた。同曲はジョン・レノンさんら多くの歌手がカバーしたほか、最近ではレディー・ガガも歌唱。キングさんは、ソウルだけにとどまらず、ロック、ポップスの大物歌手にも影響を与えた。８６年、同名の米映画「スタンド・バイ・ミー」の主題歌に起用され、世界的にリバイバルヒットした。

　親日家としても知られた。１１年１１月には、同年３月に発生した東日本大震災の被災者を支援する、アルバム「Ｄｅａｒ　Ｊａｐａｎ’上を向いて歩こう」をリリース。「上を向いて歩こう」「スタンド・バイ・ミー」を日本語で録音し、被災者らを勇気付けた。同時に１５度目の来日を果たし、会見で「震災のことは一生忘れない。早く立ち直ってほしい」と激励のメッセージを送った。

　共同電によると米議会図書館は今年３月下旬、キング氏の同曲の録音を文化的、歴史的に重要な価値があるとして保存すると発表していた。「２０世紀に最も数多く放送された曲の一つ」として評価した。