桂文枝「運命的」米朝さんからバトン…訃報直前に旭日小綬章の連絡

[ 2015年4月29日 05:30 ]

受章の喜びを語る落語家の桂文枝

 政府は29日付で2015年春の叙勲受章者を発表し、落語家の桂文枝(71)に旭日小綬章が贈られた。3月に亡くなった人間国宝桂米朝さん(享年89)から手渡された“バトン”か。受章の連絡は3月19日、その訃報を耳にする直前で、「運命的なものを感じる。米朝師匠から“しっかりやれよ、あとは頼むぞ”と言われたように受け止めている」と涙声で語った。

 創作落語のパイオニアで、30年以上にわたり定期的に発表。30日、大阪・天満天神繁昌亭で披露予定の新作で250作になる。目標は300作。戦後存亡の危機だった上方落語の復興に懸けた米朝さんを思い、「師匠は新しい落語を作りたかったが、ネタを残すことの方が大事と復活させた。私は次の時代に残る落語を作らないと」と振り返った。

 03年に上方落語協会会長に就任し、06年には約80年ぶりとなる繁昌亭を開館。神戸での寄席小屋オープンも計画中だ。来年は芸能生活50周年を迎える。「創作落語は世界に通じると思う。英訳されたら、という夢はある」と抱負。また、米朝さんの筆頭弟子で99年に亡くなった桂枝雀さんとの思い出にも触れ、「“いつかは古典もやりや”と頂戴した言葉がある。枝雀兄さんに応えられるよう古典も頑張りたい」と決意を新たにした。

 今回最高位の旭日大綬章には石原慎太郎氏(82)ら10人が選ばれた。

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2015年4月29日のニュース