中谷美紀と映像に注目 「ゴーストライター」密かに高評価のワケ

[ 2015年3月6日 10:00 ]

「ゴーストライター」で好演する中谷美紀

 1月スタートのドラマは突出した高視聴率ドラマがなく、数字面では低調だと言われている。しかし、満足度という物差しで見てみると、視聴者から密かに高評価を得ているのは中谷美紀主演の「ゴーストライター」(フジテレビ)だ。

 中谷演じる人気小説家と、彼女名義で小説を書くことになった水川あさみ演じる“ゴーストライター”の苦悩と葛藤を描いた人間ドラマ。タイトル・設定ともに「ゴーストライター」ということから、ドラマ発表時は、昨年世間を大きく騒がせた「佐村河内問題」に便乗した安易なドラマと思われたが、ふたを開けてみると小説家の知られざる苦悩を丁寧に描いた硬派なドラマであった。

 データニュース社(東京)が行なっているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象者3000人)では、「ゴーストライターの心の流れが細かに表現され、毎回楽しみ」(62歳、男性)、「抑制のきいた丁寧な演出も良く、テレビ画面に惹きこまれる」(56歳、男性)など、内容はもとより、映像に関しての評価が高いのが一つの特徴だ。
 加えて「中谷の苦悩する表情が良い」(67歳、男性)、「中谷美紀がはまり役」(42歳、女性)と、主演の中谷の好演について触れる視聴者も多い。

 同社の番組満足度でも、初回こそ「暗い」などのネガティブ意見が目立ち、3・44(5段階評価)と低かったが、2話以降高満足度とされる3・7以上をキープ。第5話の “ゴーストライター”と公に暴露するドラマ前半のヤマ場では最高の3・98を記録した。
 視聴率では2話以降一桁台だが、固定ファンの視聴者は、出演者だけでなく、ストーリーや映像に魅了されている。第8話では「ゴーストライター」のすべてを暴露した主人公が、さまざまな行き違いからナイフで刺されてしまうという衝撃の展開を迎えた。どのような結末になるのか、記録より記憶に残る作品として鮮やかな幕切れを期待したい。

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2015年3月6日のニュース