「DOCTORS3」人気キャラ卓ちゃん誕生の裏に高嶋政伸の役者魂

[ 2015年1月22日 09:00 ]

「DOCTORS3~最強の名医~」で卓ちゃんを演じる高嶋政伸。うなり声「んんんん!」と顔芸もパワーアップ(C)テレビ朝日
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 高嶋政伸(48)の“暴走”が止まらない。「卓(すぐる)ちゃん」こと堂上総合病院の後継者・森山卓を演じるテレビ朝日「DOCTORS3~最強の名医~」(木曜後9・00)。院長代理に就任したパート3は傍若無人な振る舞いに拍車がかかり、高嶋の怪演ぶりもパワーアップしている。おなじみのうなり声「んんんん!」と“顔芸”はドラマに不可欠となり、視聴者の大きな楽しみの1つに。同局の三輪祐見子ゼネラルプロデューサーは「高嶋さんのサービス精神、努力家ぶりが奇跡のキャラクターを育てたと思います」と“卓ちゃん誕生・成長秘話”を語った。

 主演の沢村一樹(47)演じるスゴ腕外科医・相良浩介の活躍を描く人気医療ドラマの第3弾。自分が信じる医療のためなら時に手段を選ばない非情な一面も持つ相良が、森山たちと対立を繰り返しながらも病院の再生に尽力する。

 パート1(2011年10月クール)の第1話。三輪プロデューサーによると、森山が悔しがるシーンは台本にト書きもなく「んんんん」としか書かれていなかった。「HERO」「龍馬伝」などで知られる福田靖氏の脚本。高嶋は「どうして『ん』が4つ…」と寝ずに演技を考えたという。オンエア上は使われなかったが、高嶋はライバル・相良をにらんだ後、悔しさのあまりベルトを抜き、床にパーンとやるアドリブ。名キャラクター「卓ちゃん」が生まれた瞬間だった。

 「んんんん」と書いた福田氏本人もどういう芝居になるか興味津々だったが、完パケで高嶋の熱演を目にし、驚いていたという。全身に力を込めた表現に「まさかこんなふうになるとは思わなかった。最初は、もう少しシリアス寄りの感じでしたよね」と話しているという。

 以後、個性的な悔しがり方を多用。パート1の中盤からコミカル色が出始めた。パート2(13年7月クール)になると全面に押し出され、卓ちゃんには食いしん坊キャラの一面も。ふくよかになってビジュアル的にかわいらしくなったのも相まって、ゆるキャラのように憎めない存在に変貌していった。当初はダークなイメージの敵役だったが、完全に弾けた。

 さらに、三輪プロデューサーは野際陽子(78)をキーパーソンに挙げる。卓ちゃんは、野際演じる院長・堂上たまきの甥っ子。高嶋と野際はTBS「ダブル・キッチン」(1993年)で親子役。その野際がちゃん付けで高嶋を呼び、お坊ちゃんキャラが際立った。「このカップリングが奇跡の卓ちゃんというキャラクターを生んだじゃないかと、今となっては思います」と分析した。

 高嶋については「根っからのサービス精神の持ち主。努力家。いつも全力投球」と評し「頭が下がります」と絶賛する。最近は固まってきたが、以前は「んんんん!」の“顔芸”を数パターン用意し「お好きなのを使ってください」。卓ちゃんのジャズ鼻歌は高嶋自らが作曲した。パート3の第1話で、相良の手術を上の部屋から見るシーン。「んんんん!」で力を入れすぎ、腰を痛めたほど。高嶋の役者魂が卓ちゃんというキャラクターを具現化した。

 時には、台本に「◯※△」などとしか書かれていない福田氏の“ムチャぶり”も。三輪プロデューサーは「次は福田氏さんにどんな球を投げられるか、高嶋さんもドキドキだと思うんですよ。誰よりも台本を早く欲しがって、ものすごく準備される。福田さんのムチャぶりにも毎回おもしろく応えてくれます」と証言。今後についても「新たなシチュエーションが与えられたら、新たな顔を見せてくれると思います」と卓ちゃんの“進化”に期待している。

 22日放送の第3話も絶好調。卓ちゃんは「この病院に来られても、必ずしも病気が治るとは限りません」と突拍子もない張り紙。しかし、医療トラブルや患者からのクレームは激減したため「究極のリスク管理は何もしないこと」と一層、図に乗る。「んんんん!」はもちろん、ほほに墨を付けたマヌケな顔や白目をむくシーンもあり、クルクル変わる卓ちゃんの表情=高嶋の怪演にクギ付けになること請け合いだ。

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